
キルクーク/バグダッド:9月5日(日)、武装軍団がイラク北部の僻地にある連邦警察の検問所で発砲して銃撃戦となり、13名の警察官が死亡したと治安担当者が報告した。
彼によると、その攻撃はダーイシュによるもので、銃撃戦は1時間近く続いたという。
この治安担当者は報道陣への報告権限を持たないため、匿名による報告となっている。
この攻撃は、キルクーク市の南約65km(40マイル)のところにあるアル=ラシャド地区で真夜中過ぎに起きた、と上級イラク警察官がAFP に述べている。
この警察官(匿名希望)によると、「イスラム国(ダーイシュ)組織のメンバーは、連邦警察の検問所を標的とした」という。
さらに、警察治安部隊のうち「13名が死亡し、3名が負傷した」とも述べている。
警察関係者によると、過激派軍団は道端に爆弾を仕掛けて警察の援護部隊が検問所に近づけないようにし、3台の警察車両を破壊したという。
キルクークを拠点とする医療班が死傷者数を確認した。
目下のところ、犯行声明は出ていない。
この一件とは別に、9月5日(日)に武装団がイラクのモースル市南東にある軍の検問所を襲撃し、3名のイラク兵が死亡、1名が負傷した、と治安関係者が語った。
ダーイシュは2014年の電撃攻撃でイラクの各地域を制圧したが、その後米国が率いる連合軍の支援による対ゲリラ活動キャンペーンによって駆逐された。
イラク政府は2017年下旬にこのスンニ派過激派集団の敗北を宣言したが、彼らは潜伏工作員を保持し、引き続き非対称攻撃で治安部隊への襲撃を続けていた。
武装工作員らはたびたびイラク北部の軍部や警察を標的としているが、今回の攻撃は今年最大の死傷者を出したものの一つとなった。
7月19日の爆弾事件はダーイシュが犯行声明を出しており、バグダッド郊外のシーア派地区であるサドルシティーのオヘイラ市場で30名が殺害されたことが確認されている。
イラク内の国際連合軍は現在およそ3,500名を抱え、そのうちの2,500名 が米国軍となっている。
しかし米国は、米軍が使用する施設に対するイラン寄り武装軍団による攻撃が続く一方で、米軍部隊を徐々に撤収しようとしており、来年からは米軍の役割を訓練およびイラク軍への諮問にとどめることにすると述べている。
8月29日(日)、フランスのエマニュエル・マクロン大統領がイラクのクルディスタンを訪問し、イラクとシリア両国におけるイスラム国(IS)の「復活」の懸念を表明している。
さらにマクロン大統領は、国際連合軍の一員としてイラクに配備されているフランス軍は、「米国がどんな決定をしようと」イラクにとどまる、と述べている。
(AFP、AP、ロイター共同)