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医療専門家が警告する東京五輪の危うさ

東京五輪は2021年7月23日に開幕の予定だ(シャッターストック)
東京五輪は2021年7月23日に開幕の予定だ(シャッターストック)
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21 Jan 2021 12:01:41 GMT9
21 Jan 2021 12:01:41 GMT9

東京五輪開幕まで23日に残り6か月を切り、開催を危ぶむ声が高まっているなかで、感染症対策の専門家は、世界最大のスポーツイベントの開催は大きな賭けだと警鐘を鳴らす。

五輪は7月23日に開幕予定だが、日本の主要都市が非常事態宣言下にあり、開催に批判的な世論が高まっているなかで、主催者側は窮地{きゅうち}に立たされている。

日本のコロナウイルスの感染状況は他の多くの先進国ほど深刻ではないものの、感染が急激に拡大するなかで、非居住外国人の入国が禁止され、東京など主要都市で非常事態宣言が発令された。

1年延期された東京五輪・パラリンピックに参加するため、世界中から1万5000人のアスリートや関係者が東京を訪れると予想されており、主催者側はこれ以上ない難題に直面している。

感染症の世界的権威である神戸大学の岩田健太郎教授はロイター通信に対し、「五輪を開催することで危険を冒す必要があるのか? 私はそうは思わない」と語った。

「昨年よりもはるかに重大な危機に直面しているにもかかわらず、感染リスクのために昨年開催を見送った五輪を今年開催しなければならない理由はない」

主催者側に再度の大会延期の選択肢はなく、中止するか、開催に踏み切るかの二者択一の状況だ。

厚生労働省の田口一穂 国際保健・協力室長は20日、政府は予定通り開催準備を進めているとの菅義偉首相のコメントを繰り返した。

現時点で五輪開催は、一般市民やアスリートに対するコロナワクチンの接種を前提としたものではない、と田口氏は語った。

154億ドルの開催費用が予算化されている大会が中止になれば、巨額の経済的損失につながるだろう。

しかし、2月にクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」号の検疫対応を批判する動画で話題になった岩田教授は、大会の開催は妥当ではないと主張する。

「(開催は)危うい賭けのようなものだ。失ったお金を取り戻すためにさらにお金をつぎ込むギャンブラーさながらだ」

新型コロナワクチンの普及状況は国によって異なり、五輪開催に踏み切れるかどうかは、「日本だけでなく他の国の感染状況にもよる」と国際医療福祉大学の和田耕治教授は語る。

大会が開催されたとしても、柔道やレスリングのようなフルコンタクトスポーツは、他の競技よりも慎重な感染防止対策が必要になると、政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の委員を務める和田氏は言う。

観客や選手、競技種目などの縮小を検討{しゅくしょう}する必要もありそうだ。

「通常規模での五輪開催は不可能かもしれない」と同氏は語る。

主催者側によると、観客規制についての結論は2月か3月に決まる予定だという。

ロイター

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