
ベイルート: レバノン政府は、30日、同国の経済破綻を回避するべく、IMF(国際通貨基金)と協議を再開するための新しい政府代表団を結成したと発表した。
ナジーブ・ミカティ首相は声明の中で、IMFとの協議再開のための委員会のメンバーを任命したと述べた。
任命されたのは、サイード・アル・シャミ副首相、ヨセフ・ハリル財務相、アミン・サレム経済相、リアド・サラメレバノン中央銀行総裁で、専門家からが支援にあたる。
東地中海の国であるレバノンは、世界銀行が1850年代以来世界最悪レベルであると評するほどの経済危機に直面している。
レバノンの通貨であるレバノン・ポンドは、2019年以降、対ドルの闇レートで価値がほぼ90%下落しており、また国民の預金は銀行に封鎖されたままとなっている。
国連によると、レバノンではインフレ率が急上昇し、現在ではレバノン国民全体の78%が貧困との境界線を下回る生活を送っているという。
また、停電が日常化し、ガソリンや薬などの生活必需品が不足に陥っている。
2020年3月に国内史上初めての債務不履行に陥ったレバノンは、IMFとの交渉を開始したものの、この事態を招いた責任は誰にあるのかを巡る論争で協議は暗礁に乗り上げていた。
レバノン政府は、今回のIMFとの協議が数十億ドルの財政支援の解除へと繋がることを期待している一方、国際社会は、いかなる財政支援をも実行する前に、レバノン政府は抜本的な経済改革を行い、さらに同国の中央銀行がレバノンの法規制に従っているか監査するよう求めている。
金融専門家のマイク・アザール氏は、先日AFPに対し、商業銀行部門と中央銀行の改革、そして公共セクターの再構築がIMFと取引するにあたっての鍵になると語っている。
AFP