
トリポリ: リビアのアブドゥル・ハミド・ドベイバ暫定首相は日曜日、大統領選出馬に向けた立候補届を提出した。予定されている選挙への出馬を同氏は厳密には許されていない。
本来ドベイバ暫定首相は12月24日に行われる議会選と大統領選の同時選挙の勝者が発表されるまでの期間国家を指導することが想定されていた。
リビアの現行選挙法ではドベイバ氏の出馬は禁止されている。今年後見的な役割の暫定首相に就任した際に同氏はその条件として、今年行われる戦挙のポストには出馬しない、と約束していた。また同氏が被選挙権を得るためには、遅くとも投票日の3ヶ月前までに暫定政府の同氏の職務を停止していなければならなかったが、同氏はそれをしなかった。
戦挙の実施には日に日に暗雲が立ちこめている。2011年にNATOが後ろ盾となった反政府運動が故ムアンマール・カダフィ指導者の独裁政権を崩壊させて以来、リビアは荒廃し混乱に陥っている。国家は何年にもわたって東部に樹立された政府と国連が認めるトリポリ政府に分断され、その争いは内戦の様相を呈している。トリポリの政権は西側先進諸国が後ろ盾となる民兵組織に支援されている。またこの内戦を争う両者は傭兵を集め、トルコ・ロシア・シリアをはじめとする地域諸国の外国軍部隊の援助も受けている。
大統領選には今月、故カダフィ氏の息子で一時は後継者と目されていたセイフ・アル・イスラム氏など物議を醸す候補者が数名出馬表明していた。2019年に首都トリポリを1年近く包囲していた大勢力軍事組織のハリーファ・ハフタル司令官もまた出馬を表明している。
AP