
イラク、ラーンヤ:イラク北部の大学では、学生も教員も失業の不安に悩んでいる。多くの人が、クルドの半自治区のどこでも教室の空席が増えていると話す。かつてそこに座っていた学生はヨーロッパに渡ったのだ。
21歳の法学生ザフワール・カルザン氏のように、今残っている学生も出て行く計画を立てている。
彼は地元のラーンヤには未来はないと考えている。ラーンヤは絵のように美しい山々、川、そしてイラクのクルド地域最大の湖、ドゥカン湖に囲まれた町だ。大学の学位をとっても仕事に就ける保証はない。さらに両親は生活費の支払いに困っていると彼は言った。
来春、カルザン氏は運にかけて他の移住希望者たちと出て行こうと計画している。彼の兄のジヤール氏は2016年に密入国請負業者に費用を払ってトルコからイタリアに移動し、最終的に英国にたどり着いた。現在はピザレストランで働きながら故郷の家族全員を支えている。
イラクのクルド人の若者は厳しい選択を迫られている。国内で失業や腐敗に耐えるか、経済破綻どころか過酷な旅で命を落とす危険を冒してヨーロッパに忍び込もうとするかのどちらかだ。
確実な統計は存在しないが、かなりの数のイラクの若いクルド人が国内に希望を見いだせずに脱出したと考えられている。他方、留まった学生たちは意欲がわかずに悩んでいる。今は教育を受けても必ず仕事に就けるわけではないからだ。
中東諸国の経済は人口の増加に追い付けずに低迷している。国連の推計によると、イラクのクルド3県では、労働力に加わる若者たちの波を吸収するために毎年43,000件から54,000件の雇用を創出する必要がある。
半端な経済成長と「若者の膨張」の落差によって失業率は長い間高いままになっている。国連の調査によると、15歳から29歳までのイラクに住むクルド人のうち、男性は24%、女性は69%である。
AP