
ハルツーム:情勢が不安定なスーダン・ダルフールで起きた部族衝突により、過去2ヵ月間で少なくとも199人が死亡していると医師らは17日に述べ、この流血の事態を止めるよう政府に要請した。
土地や家畜、水と農耕の権利をめぐる争いが引き金となったこの衝突により、10月初旬以来ダルフールのいくつかの地域が被害を受けている。
独立医師委員会は、これまでに199人死亡し、そのほとんどは射殺であると発表した。
「どの側からもこの暴力を止めるための具体的な措置は取られていない。政府は不在で、司法制度も警察もどこにも見当たらない」と声明で述べられている。
国際移住機関(IOM)によれば、この暴力により8万3000人以上が住む場所を奪われている。
ダルフールは、2003年に勃発した差別に不満を訴える反政府少数民族と当時のオマル・バシール大統領によるアラブ系支配の政府との間での内戦により荒廃した。
政府はこれに対応するために民兵組織ジャンジャウィードを送り込んだことで、殺人、強姦、村の略奪と焼却などの残虐行為について非難を受けた。
この暴力行為は世界最悪の人道的大惨事の一つとなった。国連によれば、この紛争中に30万人以上が死亡し、250万人が避難を余儀なくされた。
30年におよぶバシール政権に対する大規模な抗議行動が起こり、バシール大統領は2019年4月に解任され収監された。ダルフールでの大虐殺の罪で国際刑事裁判所はバシール前大統領の引き渡しを求めている。
AFP