チュニス:チュニジアは新憲法起草に活かすための全国レベルのコンサルテーション(意見公募や周知を中心とする双方向の活動)を実施しており、すでに5万人以上の国民の参加を得ているという。同国当局筋が明らかにした。
カイス・サイード大統領は、12月に議会の停止を延長した際に、コンサルテーションの実施を発表した。このようなやり方は、10年前の「アラブの春」の蜂起から生まれた唯一の民主主義国家であるチュニジアにおいては、かえって人々の不安を煽るものと受け取られていた。
コンサルテーションは3月20日まで行われ、政治、経済、金融、社会、健康、教育、文化などのテーマが設けられている。
同国のニザール・ベン・ネジ技術相は、「開始から5日目にして参加者数が5万2千人に達しており、上々の滑り出しと言えます」と話している。
コンサルテーションのための電子プラットフォームは、1月1日に一部公開された後、15日に全面的に始動した。
海外にいるチュニジア人も参加でき、身分証明書を使ってプラットフォームにアクセスし、意見を登録することができる。
当局筋によると、チュニジアの人口1200万人のうち、4分の3以上がインターネットを使える環境で暮らしており、使えない人も、全国の青少年センターに設置されているコンピュータを利用してプラットフォームを使うことができるとのことだ。
憲法制定のための国民投票は今年の7月25日に予定されているが、これはサイード大統領が政府を解体、議会を停止して行政権を握ると宣言してからちょうど1年にあたるタイミングとなっている。
大統領は議会の停止後、政令による統治に踏み切り、12月初旬には政治システムそのものを改革すると宣言した。
大統領による介入は当初、対立を繰り返す議会の行き詰まりに不満を抱く多くのチュニジア人から支持された。
12月13日、サイード大統領は、今年末の選挙に向けて、議会の力を弱めて行政府にさらなる権限を与えることになる新憲法を起草するためのロードマップを発表した。2019年の選挙では、サイード大統領は73%の得票率で圧勝している。
AFP