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110歳のサウジ人女性、学び舎に戻る

ナウダ・アル・カフタニさんはサウジアラビアの指導者らによる非識字撲滅の努力に対して感謝の言葉を語った。(提供写真)
ナウダ・アル・カフタニさんはサウジアラビアの指導者らによる非識字撲滅の努力に対して感謝の言葉を語った。(提供写真)
ナウダ・アル・カフタニさんと息子のムハンマド・アル・カフタニさん。(提供写真)
ナウダ・アル・カフタニさんと息子のムハンマド・アル・カフタニさん。(提供写真)
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07 Aug 2023 08:08:43 GMT9
07 Aug 2023 08:08:43 GMT9
  • 彼女はアラブニュースに対し、再び学ぶことを考えるのは「100歳を過ぎている私にとっては特に難しいことでした」と語る
  • 教育省によるプログラムは、サウジアラビア国内における非識字の撲滅を目指している

タレック・アル・タカフィ

メッカ:あるサウジ人女性が、「始めるのに遅すぎるということはない」という古い格言の正しさを身をもって示した。御年110歳でだ。

ナウダ・アル・カフタニさんは、サウジアラビア南西部ウムワのアル・ラフワ・センターによる支援のもと、再び学び始めた。

(上は80歳から下は50代までの)4児の母である彼女はアラブニュースに対し、読み書きの勉強を始めたことで人生が一変したと語る。

数週間前に同センターで非識字撲滅プログラムに参加して以来、彼女は他の50人以上の生徒と共に毎日授業に出席している。

非識字をなくすべく皆が力を合わせなければなりません。私たちの息子たちや娘たちが、自分のためになり、将来良い職業機会を得るのに役立つような、特色ある正規教育を受けられるようにするためにです。

ムハンマド・アル・カフタニさん(ナウダ・アル・カフタニさんの息子)

あらゆる年齢の生徒たちが、アルファベットの基礎やコーランのいくつかの節を教わっている。

アル・カフタニさんは、授業は楽しいし、宿題はその日のうちに終わらせるようにしていると話す。

教育省のビシャ支部はX(旧ツイッター)に、110歳のアル・カフタニさんがサウジアラビアの指導者らによる非識字撲滅の努力に対して感謝の言葉を語る様子を撮影した動画を投稿した。

彼女はアラブニュースに対し、再び学ぶことを考えるのは「100歳を過ぎている私にとっては特に難しいことでした」と語る。

しかし、学校に行くことが長年延び延びになっていたし、何年も前に学校を終えておくべきだったと彼女は話す。

自分の教育を高めることなく過ぎ去った年月に対する後悔を語るアル・カフタニさんは、「そうしておけば、私の人生も他の人たちの人生も間違いなく大きく変わっていたでしょう」と言う。

学校に行くのが遅れたのは、人生においてとりたてて問題があったわけではなく、この地域の田舎や村々に住む何百人もの少女たちにとってはそれが普通のことだったからだという。地理的に孤立しているため学業を終えることができなかったのだ。

アル・カフタニさんの勉強をサポートしている4人の子供たちは、彼女の人生における新たな展開について前向きに捉えている。始めるのがかなり遅かったとは彼らも思っているが、それも神の意志だと信じているのだ。

息子のモハメドさん(60)はアラブニュースに対し、母親を毎朝センターに連れて行って授業が終わるまで待っていると話す。

彼女が毎日新しいことを学んでいるのが嬉しくて誇らしいという。

「これが母にとって簡単なことではないというのはよく分かっています。110歳を過ぎていますから。でも、家族全員が誇りに思っています」

「過去に戻って母に最高の教育を受けさせてあげることができたらいいのにと心から思います」

ウムワには女子高校が1校しかないため、その学校への負担が大きくなっていると彼は話す。

他の人たちも読み書きを学んで教育を終えることができるよう、当局が公立学校をもっと多く設立してくれることを望んでいるという。

サウジアラビアの指導者らは国内の全ての地域で非識字と闘って撲滅することに意欲的だと彼は言う。

「私たちはウムワから非識字者が完全にいなくなることを望んでいます。非識字をなくすべく皆が力を合わせなければなりません。私たちの息子たちや娘たちが、自分のためになり、将来良い職業機会を得るのに役立つような、特色ある正規教育を受けられるようにするためにです」

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