モハメド・ズクリ国防相の発表によると、海軍の救難隊が20日夜に21人を救助したが、7人が依然行方不明だという。沈没したボートはイタリアに向かっていたという。
死亡した7人の中には10歳の少女も含まれていたと地元メディアは伝えた。
生存者が地元当局に語ったところによれば、ボートは港町・スファックス近郊のケルケナ諸島を出発し、32人のチュニジア人を運んでいた。
国連の推計によると、昨年、海路で欧州に到着した約11万5000人の移民のうち20%はチュニジアを出発していたという。経済状況が悪化し、失業率が18%に達する中、北アフリカのチュニジアはここ数年間、社会不安に苛まれている。
北アフリカからイタリア南部に向かう地中海中央部を渡るルートは、欧州行きの移民ルートの中で最も交通量が多く、死亡事故発生数も最多となっている。人々はぎゅうぎゅう詰めのボートに乗ってリビアやチュニジアを発ち、通航のために金銭を支払った密輸業者に翻弄されながら欧州へと向かうのだ。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、昨年、約6万人が海路でイタリアに到達し、約1200人が道中で死亡したか行方不明になった。
チュニジア国防省によれば、19日、チュニジア海軍の水陸両用部隊が、チュニジア発イタリア行きの沈没しかけていた船から23人を救助した。船に乗っていた移民のうち13人がマリ、10人がコートジボワール出身であったと同省は伝えた。
AP