チュニス:チュニジア国防省によると、地中海のチュニジア沖で27日、ボートが沈没し、欧州への移民を希望していたアフリカ出身者の少なくとも6人が死亡し、約30人が行方不明となった。
チュニジア海軍と沿岸警備隊が遺体を回収し、34人を救助した。また、行方不明者のリストに記載されている人々を現在も捜索していると国防省が声明で発表した。生存者らが救助隊に語ったところによると、ボートには70人が乗船し、イタリアへ向かっていたという。
国防省によれば、ボートは隣国のリビアから出航し、チュニジアのリビアとの国境付近の街・ザルジスの沖、約40キロメートルの海域で沈没した。
生存者の中には、エジプトやスーダン、コートジボワールの出身者もいるとチュニジア赤新月社のモンギ・スリム社長が伝えた。
この海域では、過去にも移民を乗せたボートの沈没事故が何度も発生している。北アフリカからイタリア南部へと向かう地中海中央部を渡る当該ルートは、移民希望者が使うルートとしては海上の交通量が最も多く、死亡事故の発生数も最多となっている。人々はリビアやチュニジアからぎゅうぎゅう詰めのボートに乗り、通航のために密輸業者に金銭を支払い、彼らに翻弄されながら海を渡るのだ。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、昨年、約6万人が海路でイタリアへ渡り、約1200人が道中で死亡したか行方不明となった。
チュニジア国防省は、過去48時間の間に当局がスファックスの沖合で移民船8艇の着岸を阻止し、チュニジアとサハラ砂漠以南のアフリカ出身者130人を拘束したと伝えた。
AP