
クリストファー・ハミル・スチュワート
英国のNGO、ヒューマン・アピールは、パレスチナの組織と協力して、2万5000本のオリーブの木を植える予定だ。背景には、パレスチナのオリーブ産業が広く破壊されたことがある。
ヒューマン・アピールは、パレスチナ水文学グループ(PHG)と、パレスチナの慈善財団ザカート・アル・クッズと提携して、このプロジェクトを進めている。ザカート・アル・クッズはヨルダンのイスラム基金省の監督下で運営されている。
このプロジェクトでは、エルサレム、トゥバス、サルフィット、ベツレヘム、ヘブロン、トゥルカレムのオリーブ農園が恩恵を受けることになる。彼らは200人の農家を支援し、年間約4000キログラムのオリーブオイルを収穫する予定だ。
オリーブオイルはパレスチナの農業の25%を占めており、10万世帯の生活に欠かせないものである。
ヒューマン・アピール・フランスの代表であるモハマド・ユセフ氏は、アラブニュースの取材に対し、次のように語った。「オリーブの木は、パレスチナの農業の歴史にとって非常に象徴的な意味を持ちます。何世代にもわたり、中東の人々にとってパレスチナの代名詞となっているのです」
「この地域のオリーブの木は世界で最も古いものの一つで、中には樹齢1000年を超えるものもあります。そして、世界的に見ても最高品質のオリーブオイルを生産しています」
オリーブの木は、パレスチナの乾燥した気候、劣悪な土壌条件、悪化する水の供給という環境のなかで、特に有効な作物である。
「緊急に必要な支援を行う際には、住民の自助努力を促すための、長期的な支援も考慮することが重要です」とユセフ氏は言う。
「これらのオリーブの苗木を植えることは、農業用の土地を確保し、彼ら住民が将来にわたって自活できるような作物を供給するという以上の意味があります。同時に、この地域の再生の重要なシンボルにもなるのです」
イスラエルの入植者はパレスチナ人のオリーブの木を攻撃し、伐採し、ときには燃やしている。今月初めには、ヨルダン川西岸地区で数十本のオリーブの苗木が根こそぎにされた。これらの攻撃は、パレスチナ人の収入を圧迫するためのものだと考えられている。