• 足止めされている旅行者のフライトおよびホテル宿泊延長の費用はエジプト政府が負担する
• 毎年冬になると、数十万のロシア人およびウクライナ人旅行者が紅海のリゾート地に詰めかける

モハメド・アブ・ザイド

カイロ：エジプト政府は、エジプトに足止めされているウクライナ人旅行者をヨーロッパの近隣諸国に輸送するためのフライト費用を負担すると発表した。

エジプトのウクライナ外交使節団の副団長であるイエビン グビエフ 氏によると、この戦争のため足止めされている、紅海沿岸の冬季リゾート地のウクライナ人旅行者は約20,000人とのことである。

グビエフ氏によると、旅行者のほとんどが紅海に面したシャルムエルシェイクおよびフルガダに滞在しており、一部の旅行者はエジプト南部のマルサ・アラムリゾート地に滞在しているとのことである。

エジプト政府は昨日の午後、「現在までのところ、約4,000人のウクライナ人旅行者の輸送がすでに完了しており、ウクライナ人旅行者の苦しみを和らげるため、フライトの運航は引き続き行われている」と発表した。

エジプト内閣閣僚評議会（Presidency of the Egyptian Cabinet）の公式報道官であるナダル・サアド氏によると、「これは、観光目的でエジプトにやってくる諸外国の国民へ、可能な様々なケアを提供したいというエジプト政府の強い気持ちによるものであり、ロシア・ウクライナ間の危機に関して現在起きている出来事を踏まえ、エジプト政府は、エジプトでの観光プログラム期間がすでに終了しているウクライナ人旅行者への必要な支援と援助の提供を継続する」とのことである。

氏はまた、「エジプト政府から提供される援助として、エジプト滞在期間の期限がすでに過ぎているウクライナ人旅行者の滞在期間は、滞在中のホテルにて延長され、宿泊費用はエジプト政府によって負担されている」と付け加えた。

同公式報道官は「ウクライナ人旅行者をウクライナの近隣諸国へ輸送するためのフライトを運航することが、エジプト国家がフライトにかかる費用を負担するという条件でエジプトエアおよびエアカイロにより合意されている」と述べた。

エジプトのホテル施設業会議所（Chamber of Hotel Establishments）は、ウクライナでのロシアの軍事行動開始後すぐに、エジプトのすべてのホテルに文書を回し、エジプトへの訪問プログラムがすでに終了したロシア人およびウクライナ人旅行者を、出国の条件が整うまで無料で宿泊させるよう義務付けた。

毎年、数十万のロシア人およびウクライナ人旅行者がエジプトを訪れ、紅海を見渡せる複数のホテルに滞在している。

カイロのウクライナ大使館は、先立って、受け入れ準備のできている近隣諸国へのウクライナ人旅行者の輸送にエジプト民間機および軍用機を使用する必要があるとエジプト外務省に呼び掛けていた。

送られた書簡において、大使館は、ウクライナ人旅行者の滞在を延長し、エジプトのホテルに無料で宿泊させるというエジプト政府の決断に感謝の意を表した。