
ダオウド・クタブ
アンマン:パレスチナ地方選挙の第2ラウンドで、明確な政治的方向性が示されることはほとんどなかったと、主要アナリストたちがアラブニュースに語った。
12月初旬に行われた1回目の地方選挙の後、パレスチナ人たちは土曜にヨルダン川西岸地区各所の主要都市で投票に臨んだ。
パレスチナ中央選挙管理委員会のハンナ・ナセル委員長によれば、有権者の約52%が投票したという。
Ma’an TVネットワークで多数の選挙討論会のキャスターを務めたラナ・アブ・ファラ氏は、ファタハ党は主要都市で60%の議席を獲得したと主張していると述べた。
「しかし、投票率が低く、議会選挙と大統領選挙が行われる兆しもないため、この結果が彼らの成功の兆候を示すものと考えるべきではない」
少なくとも1人のアナリストが、投票率の低さは、政治的ビジョンが示されていないことに対するパレスチナ人の不満のせいであると非難した。
ビル・ツァイト大学の政治学教授アリ・ジャルバウィ氏は、「人々は参加することに肯定的な価値を見いだしておらず、政治派閥は弱体化している」と述べた。
ファタハを含む政治派閥は現在、部族的な人気に便乗し、部族的基盤を持つ候補者を指名していると、ジャルバウィ氏は付け加えた。
パレスチナの議会選挙と大統領選挙は2021年4月に中止されており、いつ実施されるか、その兆候もない。
パレスチナの有力な世論調査専門家ハリル・シカキ氏はアラブニュースに対し、大統領選挙はマフムード・アッバース大統領が退任を決めない限り行われないだろうと話した。「選挙が行われれば、アッバース氏が敗北することは間違いない」と、パレスチナ政策調査研究センターの所長を務めるシカキ氏は言う。
ベイト・サフール地方議会に無所属で出馬した学者のガッサン・アンドニ氏は、今回の地方選挙はパレスチナの政治的多様性を浮き彫りにしたと話した。
「選挙は広い政治的地図を反映しているが、本当の競争がない場合はファタハが有利」。 アンドニ氏は、議会選挙と大統領選挙はまだずっと先のことだと考えていると述べた。
「パレスチナ自治政府が政治的・財政的に弱体化しているため、近い将来、新しい地方議会が重要な役割を果たすことは間違いない」という。
元パレスチナ閣僚のジアード・アブ・ザイヤード氏は、地方選挙で目立っていた「部族的雰囲気」を批判した。
「親族や部族を応援するため、若者も老人も姿を現した」という。
アブ・ザイヤード氏は、パレスチナ人は民主的な文化の導入に失敗したと主張する。「民主主義は投票所についてだけに言えるものではなく、生き方なのだから」という。
そしてこう付け加えた。「我々も、政治人生の構築と、多元主義を信じ、憲法と法の支配によって保証される政治システムの構築に失敗した」