
ドバイ:イランの最高指導者が12日、自国の将来は世界の主要国との核協議の成功や失敗に結びつけるべきではないと述べたと、イラン国営メディアが報じた。
ハメネイ師はまた、2015年の核合意を復活させるための交渉は「順調に進んでいる」と付け加えた。
イランの核開発プログラムなど、全ての国事について最終決定権を持つアーヤトッラー・アリー・ハメネイ師は、イランと米国との間での1年近くにわたる間接協議が行き詰まってから約1ヵ月後に、コメントを発表した。両国は、残りの問題を解決する「政治的意思」が欠如しているとして、互いに非難している。
「国の計画においては、絶対に核交渉を待つことなく、前に進め」と、ハメネイ師が政府高官の集まりで述べたと、国営テレビは報じた。
「交渉が良い結果になっても、部分的に良い結果、悪い結果になろうとも、皆さんの仕事が妨げられてはならない」
2018年、当時のドナルド・トランプ米国大統領は核合意から離脱し、制裁を再発動してイラン経済を麻痺させた。その1年後、イランは、核爆弾の開発を困難にするために2015年の合意が同国の核開発計画に課していた制限を破り始めた。イランは、核開発計画は平和利用のみを目的としていると主張している。
「米国は(核合意から離脱することで)約束を破り、今や行き詰っているが、イランはそのような状況にない」と、ハメネイ師は述べ、イランの核交渉担当者らに対し「米国の過剰な要求に抵抗し続ける」よう呼び掛けた。
未解決の問題の1つは、イラン政府が核合意復活のために要求しているように、精鋭であるイラン革命防衛隊(IRGC)を、米国の外国テロ組織(FTO)リストから外すかどうかだ。
IRGCをリストから除外することに批判的な人も、その考えに前向きな人も、米国の他の制裁によって外国の当事者はIRGCとの関わりを避けざるを得ないため、除外しても経済的な効果はほとんどないと述べている。
イスラム共和国の建国者である故アーヤトッラー・ルホラ・ホメイニ師が創設したIRGCは、軍事部隊であるだけに留まらず、巨大な政治的影響力も有している。2017年には制裁が科され、2019年4月にはFTOに指定された。
2001年9月11日の米国同時多発テロの後、IRGCには、米国の別のリストで「特別指定グローバルテロリスト」(SDGT)として制裁が科された。
ロイター