
ベイルート:レバノンは木曜日、2020年の港湾爆発で壊滅的な被害を受け倒壊の危機に瀕しているベイルートの穀物サイロについて、追悼施設として保存する求めがあるにも関わらず、その取り壊しを命じた。
ジアド・マカリ情報相は閣議の後、「開発復興評議会に取り壊し作業の監督を命じた」と述べた。作業にかかる期間は明言しなかった。
マカリ大臣は、政府の決定はレバノンのハティブ・アンド・アラミ・エンジニアリング社の報告書に基づいて行ったと述べた。報告書は首都ベイルートの港にあるサイロが数カ月以内に崩壊する恐れがあると警告するものだった。
同大臣は「修理には莫大な費用がかかるだろう」と述べた。
昨年スイスのアマン・エンジニアリング社も、サイロの最も破損した部分が1日に2ミリのペースで傾いていると述べ、取り壊しを要求していた。
かつて10万トン以上の容量を誇った高さ48メートル(157フィート)の堂々たる当建造物は、2020年8月4日の港湾爆発で200人以上が死亡し、首都の大部分が損壊した惨事を象徴するものとなっている。
サイロは爆発の衝撃の多くを吸収し、ベイルート西部の大部分を壊滅的な被害の盾となった。
活動家や犠牲者の親族らは、当穀物サイロを追悼施設として保存するよう求めている。
先月発表された犠牲者の遺族による声明では、「サイロは、あなた方が私たちに対して行った大虐殺の目撃者なのです」と当局を指して述べている。
「あなた方がどんなに頑張っても、取り壊しが行われることはない」
この決定に対する潜在的な怒りを鎮める為、内閣は木曜日に内務省と文化省に対し爆発事故の犠牲者を追悼するモニュメントの建立を命じた。
当局は、爆発は硝酸アンモニウム肥料の積荷が、何年も無造作に保管された後出火したことが原因であると発表している。
この悲劇に関する調査は、権利団体や犠牲者の親族が政治介入だと非難する問題があり数ヶ月間にわたり中断されたままになっている。
人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは昨年、致命的な過失によりこの悲劇が起きたとして政府、国会、治安当局の長官を非難した。
AFP