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イスラエル軍がヨルダン川西岸に攻撃、パレスチナ人が3人殺害される

ヨルダン川西岸の占領地北部のジェニン市における攻撃で、イスラエル軍とパレスチナの若者たちが衝突した。(AFP)
ヨルダン川西岸の占領地北部のジェニン市における攻撃で、イスラエル軍とパレスチナの若者たちが衝突した。(AFP)
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15 Apr 2022 01:04:20 GMT9
15 Apr 2022 01:04:20 GMT9
  • パレスチナ保健省によると、「イスラエルによる攻撃」で銃撃により重傷を負った6人の中に、若者2人と45歳の父親が含まれていたという
  • ラマッラーとジェニンは木曜日、この殺害に抗議するために商業ストライキを開始した

モハメド・ナジブ

ラマッラー:木曜日、イスラエル軍がヨルダン川西岸の火種である地区ジェニンを攻撃。パレスチナ人が3人殺害され、14人が負傷した。

イスラエル軍は夜が明けた頃、激しい暴力的衝突が起きているジェニンの町ヤモンとカフルダンを攻撃した。民間人6人が銃撃で負傷し、その内3人が重傷を負った。

パレスチナ保健省は、木曜日朝のジェニン近郊での攻撃で、「イスラエルによる攻撃で負傷し、若者2人が死亡した」と述べた。

数時間後、同省は水曜日、ナブルス南部のベイタで「イスラエルの銃撃によって重傷を負った」6人の内、パレスチナ人の45歳の父親が死亡したことを発表した。

3人の葬儀に出席した人々は、イスラエル占領軍がパレスチナ人に対し犯した「犯罪」を非難するスローガンを掲げた。

ラマッラーとジェニンでは木曜日、この殺害に抗議して商業ストライキが行われた。 

パレスチナ大統領府ナビル・アブ・ルデイネ広報担当は、パレスチナが「イスラエルによる危険なエスカレーションのために岐路に立たされている」と述べ、「パレスチナ人に対する挑発、混乱、疑心暗鬼により日々引き起こされる行動を通じて、重大な問題を軽々しく扱っている」と、イスラエルを非難した。

パレスチナの治安当局者はアラブニュースの取材に対し、特に若い世代が衝突に関わっており、西岸の治安状況が急速に悪化していることに深い懸念を示した。

パレスチナ人はラマダン開始以降、一連の銃殺事件や無差別拘束に耐えており、パレスチナ占領地域に暗い影を落としている。

4月に入り、イスラエル人による法的に認められない攻撃が急増している。ヨルダン川西岸への夜間の襲撃で、民間人14人が殺害され、数十人が負傷し、約1,000人が拘束された。 

ファタハ中央委員会メンバーのフセイン・アル・シェイク氏はラジオ放送「パレスチナの声」において、イスラエル政府が、躊躇なく殺害するよう軍に指示することで、殺害のペースを上げる決定を下したことは明らかで、「現在行われていることは、決して許されない真の虐殺である」と指摘した。

シェイク氏は、イスラエル人入植者による一連の侵略やモスクの中庭で礼拝を行おうとしたことなど、アル・アクサモスクで目撃された攻撃を非難した。

同氏は、ハマス運動を含む国内の派閥に対し、国家統一を達成するため話し合いの席に着くよう緊急の訴えを行い、国家統一によってのみ、侵略に打ち勝つことができると強調した。

イスラエル国防軍は、今回の攻撃は、指名手配者の逮捕と武器の押収が目的であると述べた。

イスラエル軍は、ユダヤ教の過越祭を目前に控え、警戒レベルを上げている。パレスチナ自治区における完全閉鎖の強制について決定が下されると期待されている。

ガザ地区の前線では、パレスチナ人派閥の危険な兆候が高まっており、厳戒態勢が続いている。

「最近、ヨルダン川西岸地区各地で続けられているイスラエルの軍事活動及び治安活動の目的は、イスラエル人に対するテロ攻撃を防ぐことである。大切なのは、イスラエル人が安心して、過越祭を迎えられるようにすることである」と、イスラエルの有力紙「イェディオト・アハロノト」の特派員として30年間勤務し、第一次・第二次インティファーダを生き抜いたロニ・シャキッド氏が語った。

そして、「パレスチナ人コミュニティからの支援がなければ、イスラエル市民に対する武力攻撃はなかっただろう」と述べた。

シャキッド氏は、民衆蜂起が長年にわたるパレスチナとイスラエルの紛争と一体化していると付け加えた。 

シャキッド氏によると、パレスチナの新世代は、1987年から1993年と2000年から2003年のインティファーダで何が起こったのかを知らず、パレスチナの闘争の歴史に自分たちの名を残したいと考えている、という。

パレスチナ人政治アナリストでヨルダン川西岸のビルツァイト大学の副学長でもあるガッサン・アル・ハティブ氏はアラブニュースに対し、現在のイスラエル政府は、パレスチナ自治政府の状況への影響を一切考慮することなく、パレスチナ人を弾圧し続けている、と述べた。

「特にイスラエルは経済的解決に焦点を当て、パレスチナ人は政治的解決には望みを持てないと考えているため、状況は悪化し、事態がどのように動くのか誰にも分からない」と、アル・ハティブ氏は述べた。

一方、イスラエル教育省は、パレスチナ系イスラエル人が通う学校の教育プログラム担当者に対し、「ナクバ」を後世に伝える内容をカリキュラムに盛り込まないよう要請している。「ナクバ」とは、1948年、パレスチナ人の社会と故郷が破壊され、パレスチナの地に住んでいた大多数のアラブ人が永久に移住させられたことをいう。

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