
チュニス:チュニジアのベテラン野党幹部は26日、昨年のカイス・サイード大統領による権力掌握に続く深刻な危機から国を「救う」ための新たな同盟の創設を発表した。
ジン・アビディン・ベンアリ氏の支配に反対した著名な左翼政治家アフメド・ナジブ・チェビ氏(78歳)によると、新しい国民救済戦線は政治勢力を団結させ、立憲的および民主的なプロセスを再確立し、国内の自由と権利を保証することを目的としている。
「我々は合法性と民主主義への回帰を望んでいる」と同氏はチュニジアの首都で行なわれた記者会見で語った。
政治階級に対する国民の怒りが募る中2019年に選出された元法学教授のサイード大統領は、昨年7月25日に首相を解任し、さらに議会を一時停止して幅広い執行権を掌握した。
同大統領は後に法令によって自らに支配し立法する権限を与え、司法権を掌握した。
同大統領は先月議会を解散し、北アフリカのこの国に2011年の革命以降導入された政治体制にさらなる打撃を与えた。
チェビ氏はサイード大統領の動きに反対し、それを「クーデター」と表現している。
今回の新たな同盟は、サイード大統領の宿敵でありイスラム主義を掲げるナフダ党を含む5つの政党と、独立した政治家らを含む5つの市民社会グループで構成されている。
同戦線の優先事項は、投資家の気をそぐ「腐った」政治体制によって台無しにされた経済を救うことだ、とチェビ氏は述べた。
また、「国を救う」ための改革に関する国民対話を開始する前に、他の政治団体や「影響力のある」人物を巻き込むことも目的としている、と付け加えた。チェビ氏は新しい選挙前の「移行期間」中に国を導く「救済政府」を要求した。
先週、サイード大統領は選挙管理委員会の委員長を任命する権限を自らに割り当てたが、批評家によるとこの動きは、憲法改正に関する7月に予定されている国民投票と12月に予定されている議会選挙に先立って、コントロール可能な選挙機関を創設することを目的としている。
先月、サイード大統領はまた、司法に対する広範な権力を掌握する際に廃止した独立した監視機関の代わりとして「一時的な」裁判官評議会を発足させた。
昨年のサイード大統領による最初の権力掌握は、しばしば膠着状態にあった革命後の政治体制にうんざりしている多くのチュニジア国民に歓迎された。
だが、同大統領がチュニジアを独裁政治への危険な道に戻そうとしていると述べる批評家は増え続けている。
AFP