
アラブニュース
ロンドン:BBCが水曜日に報じたところによると、米国の科学者は、1991年の湾岸戦争中に何千人もの兵士が不可解な症状を発症した原因を突き止めたと発表した。
この研究は米国政府の資金で行われた。イラクの爆弾倉庫が破壊された後、大気に浸透した神経ガスであるサリンが、それを吸い込んだ数千人の兵士に影響を与えたという。
いわゆる湾岸戦争症候群の増加は、何十年もの間、研究者や医療チームを困惑させた。湾岸戦争からの帰還兵は、慢性疲労、関節痛、言語障害などの不可解な健康問題に見舞われた。
帰国後、健康な兵士の多くが奇妙な病気になったが、研究者たちは、希釈された神経ガスが原因であると考えた。
この新しい研究の主席研究者であるテキサス大学サウスウェスタン医学センターのロバート・ヘイリー博士によれば、サリンは致命的な神経ガスであるが、希釈されていたため、接触した兵士たちは死なずに済んだとのことである。
しかし、彼は「兵士が遺伝的にサリンで病気になる素因を持っていた場合、希釈されていても症状を発症するには十分な量であった」と付け加えた。
ヘイリー博士によれば、体内の化学物質や毒素を分解するのに重要なPON1遺伝子の特定の型を持っている人は病気になったとのことである。
戦場に配属された兵士は、この遺伝子の効果が低い型を持っていると、病気になる可能性が高いとのことである。
ヘイリーが「最も決定的な研究」と表現する今回の調査では、無作為に選ばれた1000人以上の湾岸戦争帰還兵が調べられた。
彼は、「我々は調査結果が、どんな評価にも耐えられると信じている。そして、我々の発見が、症状の一部を緩和する治療につながることを期待している」と述べている。
退役軍人の慈善団体である英国在郷軍人会によれば、5万3000人以上の英国軍が戦争に従軍した結果、3万3000人が今も湾岸戦争症候群に悩まされていると考えられるという。
多くの人は、健康で負傷もしていない兵士が突然病気になることを理解できなかった。そのため、その症状を深刻に受け止めなかった。
全米湾岸退役軍人・家族協会(NGVFA)は、この研究は戦争後、健康状態に悩まされてきた退役軍人にとって、正しい方向へ進む一歩であると述べている。
「彼らは30年間、その時々の政府から見捨てられ、無視され、嘘をつかれてきた。有毒物質やガスにさらされ、それが肉体的にも精神的にも影響を与えたのでは、という彼らの疑問に対して、前向きな答えは得られなかった」と同協会は声明で述べている。
「英国政府がこの報告書を受け止め、湾岸退役軍人に検査を受ける機会とアクセスを提供することで対応してくれることを期待している」
「そうすれば、彼らは、これまであまりにも長い間拒否されてきた、より有意義で適切な医療を受けることができるようになるはずだ」
英国国防省は、次のように述べている。「私たちは、世界中で発表される新しい研究を監視し、歓迎し続ける。また、軍務が原因で病気になった退役軍人には、国防省戦争年金と軍属職域年金制度を通じて、経済的支援が提供される」