
テヘラン/ドバイ:イランは土曜日、アラビア湾で拿捕したギリシャの石油タンカー2隻の乗組員は「健康状態良好」で逮捕されているのではないと発表した。
イランの革命防衛隊は金曜日、アラビア湾においてギリシャのタンカー2隻を拿捕した。これは先立って、米国がギリシャ沖に停泊中のタンカーからイラン産原油を押収したことをめぐり、イランがギリシャに「懲罰行動」を取ると警告した直後であった。
「ギリシャのタンカー2隻の乗組員は逮捕されておらず、全員が健康で、国際法に従って保護され船上で必要なサービスを提供されている」と、イラン港湾海事局は国営メディアを通じて声明を出した。
2隻のタンカーは「海上違反」によって停止させられたと同局は述べているが、違反の詳細は明らかにされていない。
ギリシャはイランによる2隻のタンカーの拘束を「海賊行為に等しい」と非難しており、国民にイランへの渡航を控えるよう警告している。
イラン外務省のサイード・ハティブザデ報道官は、乗組員は「安全で健康だ」とツイートしている。
同報道官は、二国間の関係は「常に相互尊重に基づいてきた」とし、それは「第三者の命令による追い剥ぎのような極めて近視眼的な誤算によって妨げられてはならない」と続けた。
一方、イラン国家安全保障評議会に近しいヌールニュースは、「イランは国益に対するいかなる脅威に対しても受動的なままではいない。イランの意志を試すことは米国とその取り巻きに大きな代償を伴う戦略的錯誤だ」と述べた。
イラン軍部のイデオロギー的支部である革命防衛隊は、「違反により」タンカーを拿捕したとして、それ以上の説明は行っていない。
ギリシャは金曜日、イラン海軍のヘリコプターが国際水域においてギリシャ船籍のタンカー「デルタ・ポセイドン」に着陸し、乗組員を人質に取ったと発表した。同様の行為がイランに近接する別のギリシャ船籍のタンカーでも行われたというが、船舶名は明らかにしていない。ギリシャ政府はいずれの行為も国際法違反だとしている。
ギリシャ外務省は、乗組員には9人のギリシャ人が含まれるとしているが、他の乗組員の人数は明らかにしていない。
ギリシャ船籍タンカーに対するイランの行動は、先月ギリシャがロシア船籍タンカーとそのイランの貨物を押収して以来高まっている外交的衝突の急速な激化の現れだ。
ギリシャ政府は、ギリシャでのタンカー拿捕を、2月のウクライナ侵攻を受けたロシアに対する制裁と関連付けている。
イラン外務省は金曜日、ギリシャに対しタンカーの解放を求め、その貨物の米国への計画輸送は国際法の「明らかな違反」だとした。
米国は、ドナルド・トランプ大統領(当時)がイランと主要国との間の核合意から離脱した後、2018年にイランに対して厳しい制裁を再開した。かつて大きな収益を上げていた石油輸出が主な対象とされた。
(AFP、ロイター)