
ジェッダ:イランでイスラエルが原因とされる一連のターゲットを絞った暗殺や破壊工作を受け、イスラム革命防衛隊の情報局責任者が24日、解任された。
トルコ当局が、イスタンブールでイスラエル人観光客の殺害を計画していたイランのテロ組織の工作員8人を逮捕したことにより、イスラム革命防衛隊の情報局責任者であるホセイン・タエブ氏は解任された。
イランとイスラエルは長年にわたって「影の戦争」を続けてきたが、イスラエルが原因とされ注目を集めている一連の事件を受けて、緊張が高まっている。イランは以前から、イスラエルがイランの核施設を破壊し、科学者や上級司令官を殺害したと非難してきた。
6月13日、イラン中央部マルキャジー州のコメイン市で、革命防衛隊の、航空宇宙部隊のアリ・カマニ氏が任務中に殺害された。6月上旬には、イスラム革命防衛隊の対外作戦部隊であるコッズ部隊の司令官アリ・エスマイルザデ大佐が自宅の屋根から転落して死亡している。
また、5月22日には、イランの首都東部にある自宅の外で、イスラム革命防衛隊のサッヤード・コーダイ大佐(50歳)が、バイクに乗った暴漢に5発撃たれて殺害された。
トルコ当局は、イランがこうした攻撃やその他の攻撃に対する報復として、イスラエル人を暗殺するためにビジネスマン、観光客、学生を装った工作員をイスタンブールに送り込んだと発表した。
トルコ当局によると、イラン人らは、イスラエル人の標的をよりよく追跡できるように、2人の暗殺者からなる4つのグループに分かれていたという。トルコの治安情報筋によると、「暗殺チームの殺し屋は、ベイオールのホテルの2階と4階の別々の部屋を拠点としていたが、大量の武器と弾薬と共に拘束された」という。
イスラエル当局は先週、イランの工作員がもたらしている「現実的かつ差し迫った危険」のため、イスラエル国民にトルコを離れるよう強く求めた。
イスラエルのヤイール・ラピード首相代理兼外相は、23日木曜日にアンカラを訪問した際、「(イランによるイスタンブールでのイスラエル人攻撃計画の阻止援助について)この専門的で組織的な活動に対し、トルコ政府には感謝の気持ちでいっぱいです」と述べた。
「罪なきイスラエル人観光客の殺害だけでなく、イランのテロによるトルコの統治権侵害が起こっていることも明らかです。この件に関して、トルコはイランにどう対処すべきか理解していると我々は確信しています」
イラン当局は、情報局責任者を解任されたタエブ氏は、イスラム革命防衛隊少将のホセイン・サラミ司令官の相談役になると発表している。タエブ氏の後任には、これまでイスラム革命防衛隊の情報保護部隊長を務めていたムハンマド・カゼミ氏が就任する予定だ。
タエブ氏はイスラム教シーア派の中堅聖職者で、最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師の側近であり、トルコで休暇中のイスラエル人を誘拐または殺害しようとするイランの企てに関与しているとしてイスラエル当局に告発された人物である。
ロイター