
ワシントン:アル・ジャジーラのシリーン・アブアクラ記者は、イスラエル軍からの故意でない発砲によって死亡した可能性が高いが、独立調査機関は彼女を襲った弾丸の出所について決定的な結論には達していないと、米国務省が月曜日に発表した。
パレスチナ系米国人のアブアクラ氏は5月11日、占領下のヨルダン川西岸地区でのイスラエルの襲撃中に殺害された。
米国安全保障調整官(USSC)は、イスラエル国防軍(IDF)とパレスチナ自治政府双方の調査をまとめた上で、アブアクラ氏の死はイスラエル陣地からの発砲が原因である可能性が高いと結論付けたと、国務省は述べた。
国務省は声明で、「USSCは、これが故意であると考える理由はなく、むしろパレスチナのイスラム聖戦の一派に対するIDF主導の軍事作戦中の悲劇的な次第の結果であると考えている」と述べた。
しかし、USSCが監督した第三者検査官による法医学的分析では、弾道学専門家は、弾丸がひどく損傷しており、その出所について明確な結論は出ないと判断したと、国務省は述べている。
アブアクラ氏の家族は月曜日、米国が、彼女を殺害した弾丸が誰の銃から発射されたものかを特定することは不可能であると報告したことを受け、「信じがたい」と述べた。
「米国人であるシリーン・アブアクラを殺害した薬莢の検査で、それを発射した銃の出所について結論が出なかったという国務省による今日の—それも7月4日の—発表に関して、我々は信じがたい思いでいる」と家族は声明で述べた。
パレスチナ側は、イスラエル軍が故意にアブアクラ氏を殺害したと言っている。イスラエルはこれを否定し、アブアクラ氏は軍の誤射か、現場でイスラエル軍と衝突していたパレスチナ人武装集団の1人の銃弾に倒れた可能性があるとしている。
アブアクラ氏の死と、その状況をめぐる両者の確執は、今月予定されているジョー・バイデン米大統領の訪問に影を落としている。
ロイター