
アラブニュース
ロンドン:アルジャジーラ記者シャイリーン・アブ・アクレ氏の殺害に対する米国務省の対応に、ソーシャルメディア上で怒りの声が広がっている。
イスラエルとパレスチナ自治政府の両方の調査をまとめた後、米国務省は月曜日、イスラエル陣地からの銃撃が「シャイリーン・アブ・アクレ氏の死因と考えられる」と結論付けたが、この事件は故意ではない「悲劇的状況の結果」であると断じた。
CNN、ワシントンポスト、AP通信、ニューヨークタイムズなどの米国メディアによる複数の目撃証言や調査は、イスラエル軍がアブ・アクレ氏を射殺したとこれまで結論づけてきた。
調査と映像の証拠から、アブ・アクレ氏が殺害された地域には武装したパレスチナ人はおらず、彼女や他のジャーナリストははっきりそれと分かるプレス用装備を身につけていたことも確認されている。
しかし米国の声明は、イスラエルの襲撃が過激派戦士を狙ったものであり、パレスチナ人襲撃犯による過去の攻撃に対抗するためであったと強調した。
パレスチナ自治政府は、「米国がイスラエル占領軍による」シャイリーン・アブ・アクレ氏の意図的な標的化と殺害を、意図的な戦争犯罪ではなく「悲劇的状況」と見なすことを拒否している。
「信じられない思いです」とアブ・アクレ氏の家族はソーシャルメディアに公開された声明の中で述べている。
「透明性がまったくなく、明確な目標もないままイスラエルの全体的な立場を支持するこの調査は、失望としか言いようがありません」と彼女の家族は述べている。
パレスチナの権利擁護団体もソーシャルメディアを通じて米国の発表に憤りを表明している。
「毎年38億ドルを軍事支援する国による自国民の殺害を適切に調査しなかったアメリカにとって、今日は恥ずべき日だ」と、平和のためのユダヤ人の声(Jewish Voice for Peace)はツイートした。
イスラエルの人権団体B’Tselemは、次のように述べている。「イスラエルにとっては、パレスチナ人の殺害に関する政策は、殺害を平然と続けられるようにするための組織的なごまかし以外の何ものでもなく、今回のように米国市民が対象となった場合も何ら変わりはない」。
MSNBCのメフディ・ハサン氏はこうツイートした。「バイデン政権の怒りはないのか?アメリカ市民がどのように撃たれ、殺されたかを調べる緊急性は?そして、米国はいつまでイスラエルのすることをすべてす許し続けるのだろうか」
アブ・アクレ氏の家族は、捜査の結果にかかわらず、彼女の死に対する正義と説明責任を求めて戦い続けることを表明している。
「非常に残念ですが、落胆はしていません。私たちは正義のために闘い続けます。なぜなら、私たちが今日受け取ったこの結果は、イスラエルが享受している不処罰をさらに明確にしただけだからです」と家族は述べている。
「しかし、私たちは落胆することなく、正義と説明責任を求める道を歩み続けます」と家族は付け加えた。
アルジャジーラはすでにこの事件を国際刑事裁判所に提訴しており、あらゆる国際的な法的手段を通じて正義を求めると宣言している。