
イスタンブール: 3,000トン以上のトウモロコシを積んでウクライナを出港した貨物船が一時座礁した後、金曜にイスタンブールの停泊地に曳航されたと、海運会社が発表した。国連が仲介した輸出協定の下でこのような事故が起こったのは初めである。
トルコの国営放送局TRTハーバーは、18:00GMT頃に全長173メートルのレディー・ゼーマ号が舵の故障で座礁し、そのためにボスポラス海峡の交通が止まっていたが、現在は再開されていると伝えた。
海運会社のトライベッカによれば、曳航と引き揚げ作業は 21:10GMT に始まり、レディー・ゼーマ号は23:30GMT にボスポラス海峡南部の停泊地に投錨したという。
イスタンブール州知事の話では、この事故で負傷者は出なかった。目撃者とリフィニティブ・エイコンのデータによると、座礁時、レディー・ゼーマ号は賑やかなベベック地区の沖合約150メートルを進んでいた。
海運データは、同船が金曜の朝、イスタンブール沖のマルマラ海に停泊していたことを示している。
ウクライナの穀物輸出は、ロシアが2月24日に同国へ侵攻し、黒海の港を封鎖したことで落ち込んだ。そのため世界の食料価格が上昇し、アフリカや中東では食料不足の懸念が起きていた。
その後7月22日に、国連とアンカラが仲介し、モスクワとキエフが署名した協定の下で、3つの港の封鎖が解除された。
国連、ロシア、ウクライナ、トルコの当局者が参加してこの協定を監督しているイスタンブールの共同調整センター(JCC)は、この船が「海峡からの通過中に座礁し」、トルコ当局によって緊急乗船作業が実施されたと述べた。
JCCは今週初め、レディー・ゼーマ号が 3,000 トンのトウモロコシを積んで、ウクライナのチョルノモルスク港からイタリアのラヴェンナに向けて出港することを許可されたと発表していた。トルコの海運会社トライベッカは、30,274 トンのトウモロコシを積んでいたと述べている。
JCCによると、水曜時点で、これまでに約155万トンの穀物とその他の食品が、この協定の下でウクライナから輸出され、139件の入出港が可能になったという。
トルコ最大の都市を2つに隔て、黒海とマルマラ海、さらには地中海を結ぶ絵のように美しいボスポラス海峡で、今回のような事故が起こるのはまれである。
ロイター