
エルサレム:オンライン旅行会社ブッキング・ドットコムは9月19日月曜日、世界的に最も激しく論じられている議論に参入する最新の外国企業となり、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区の物件に警告表示を追加する予定であると発表した。
ブッキング・ドットコム社は、イスラエルの入植地における宿泊施設の予約客に対し、「紛争地域、紛争の影響がある地域、高リスク地域」への旅行であり、「より大きな危険をもたらす可能性がある」ことを警告すると発表した。
同社はAP通信に対し、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区と世界の一部の地域については、安全に関する警告の表現をまだ検討中であると述べた。同社は警告がいつから有効になるかは明言していない。
ヨルダン川西岸地区では、イスラエル軍による都市や村での襲撃で、今年に入ってから少なくとも85人のパレスチナ人が死亡しており、暴力行為が増加しているため、この動きが出てくるものと見られる。9月19日月曜日、イスラエル軍によると、ヨルダン川西岸北部のパレスチナ人の村のそばを通過する際、車両が銃撃を受けた。負傷者は報告されていない。
イスラエル外務省はコメントを控えた。
1967年の中東戦争でイスラエルが占領した土地に建設された入植地は、世界の大部分が国際法違反とみなしている。占領されたヨルダン川西岸地区と併合された東エルサレムには、約70万人のユダヤ人入植者が住んでいる。パレスチナ人たちは、この土地を将来の独立国家の一部とすることを求めている。
エアビーアンドビー社やブッキング・ドットコム社などのオンライン旅行会社は以前から、パレスチナ政府当局や活動家、人権団体から、同地での宿泊施設の掲載を中止するよう迫られてきた。
しかし、そんなことをすれば、イスラエルが激怒する危険性がある。イスラエルとその支持者らは、入植地で作られた製品を含む反イスラエル・ボイコットを支持する人々を反ユダヤ主義として非難している。エアビーアンドビー社は、米国とイスラエルで提訴された後、2019年に入植地での宿泊掲載を禁止する計画を廃止した。
アイスクリームメーカーのベン&ジェリーズ社でも、同様の論争が巻き起こっている。バーモント州に本社を置く同社は昨年、占領地のヨルダン川西岸での製品販売を停止すると発表し、イスラエルで反発を招いた。
しかし、親会社のユニリーバ社が同ブランドのイスラエル事業を現地のライセンシーに売却した後、最近の契約によって、ベン&ジェリーズ社のアイスクリームが占領地の店頭に再び並ぶこととなる。
ブッキング・ドットコム社の発表は、直接的に入植の正当性や合法性を問うものではなく、安全性に焦点を当てたものである・イスラエル人の中には、この免責条項によって、イスラエルの圧力が実を結んだと考える人もいる。
イスラエルの保守的なシンクタンクであるコヘレト政策フォーラムの国際法部門責任者のユージン・コントロヴィッチ氏は、「このことは、ブッキング・ドットコム社が、エアビーアンドビー社やベン&ジェリーズ社がイスラエルの支配地域に対するボイコットを採用した際に、大きなダメージを受けたことに注意を払ったことを示しています」と述べた。「同時に、同社は反イスラエル活動家に 餌を投げたいのです」
米国最大のイスラム教市民団体である米国イスラム関係評議会(CAIR)は、今回の渡航警告を「占領と人権侵害の現実を認識した決断」と歓迎し、より多くの外国企業が同じ行動を取るよう求めた。
ブッキング・ドットコム社は、ヨルダン川西岸地区の危険注意バナーは、現在ウクライナやキプロスの宿泊施設に表示されているものと類似のものとなると述べた。同サイトのウクライナに関する警告では、「この場所ではお客様の安全に対するリスクが高まっています」と旅行者に注意を促し、「お客様が居住国の政府が提供するこの地域の旅行ガイドラインをご確認ください」と呼びかけている。
同社は、この警告がヘブロンやラマッラーなどのヨルダン川西岸地区のパレスチナ人の不動産にも適用されるかどうかについては言及を避けた。
AP