
アラブニュース
エルサレム:イスラエル軍は1日、占領地ヨルダン川西岸地区で10代のパレスチナ人を射殺した。
その前に若者のグループが、イスラエルの分離壁を壊して穴を開け、警察に向けて物を投げ始めていた。
エルサレムのすぐ外側にあるアザリヤ村で起きた銃撃事件は、今年起きた暴力事件の中で最新のものだ。2022年は、2015年以降では、ヨルダン川西岸地区で最も多くの死者が出た年になっている。
ソーシャルメディア上で共有された一般人が撮影した動画には、マスクをした若者のグループが、高くそびえるコンクリートでできた分離壁の前に集まり、スローガンを唱えながらゲートを強行突破する様子が映っていた。
「我々を支持する市民たちよ、前に進め」と彼らは唱えた。
「分離壁に穴を開けてパトロール隊を怒らせろ」イスラエル軍を支援する国境警察は、警察部隊がデモ参加者の1人を撃ったと発表した。
そのデモ参加者は、デモを解散させに来た警察部隊に火炎瓶を投げつけようとしたという。
デモ参加者らは警察部隊に石や爆発物を投げつけたという。
パレスチナ保健省は、死亡した若者はファイズ・ ダムドゥムさん(18)であると確認した。
イスラエルは約20年前に分離壁を建設した。
襲撃者がイスラエルに侵入するのを防ぐための保安対策だとイスラエルは主張している。
しかし、分離壁の大部分はヨルダン川西岸地区内に建設されており、同地区の領土の約1割が削られている。
パレスチナは、分離壁は不法な土地の収奪であり、55年に及ぶイスラエルによる同地区の軍事占領の象徴だと見なしている。
イスラエルは1967年の中東戦争でヨルダン川西岸地区と東エルサレムを占領した。
現在、約70万人のイスラエル人入植者がこの2つの地区で暮らしている。
パレスチナは、この2つの地区が将来のパレスチナ国家になると主張している。
1日の殺害事件は緊張が高まっているときに起きた。
昨年春、イスラエル国内で発生したパレスチナ人による一連の殺傷事件の後、イスラエルはヨルダン川西岸地区、主に北部のジェニンとナブルスで軍事活動を強化している。