
アリ・ユネス
ワシントン: アラブ人は、水資源に対する気候変動に関連する脅威が、その地域と人々が直面する最大の環境問題であると考えている。
これは12のアラブ諸国における環境に関する意識をまとめた最新のアラブ・バロメーター・レポートの重要な発見だ。
アラブ・バロメーターは、この地域全体の市民の社会的、政治的、経済的態度について、意見を収集し、洞察を提供する研究ネットワークだ。
環境に関するその最新の調査では、大多数の人がその地域社会における飲料水の確保、水源の汚染、空気質に懸念を抱いていることがわかった。
水の確保と水質を自国が直面する最大の環境問題と考える人の割合は、チュニジアが最も高く60%、次いでアルジェリアが50%、イラク、パレスチナ、リビアが47%となっている。
今回の調査結果は、2006年から中東・北アフリカ地域の人々の意見を調査しているアラブ・バロメーターによる7回目の世論調査の一部だ。アラブ・バロメーターは、中東・北アフリカ地域の市民の意見と態度について、一般に公開されている最大の調査だとしている。
最新のレポートでは、2021年10月から2022年7月にかけて、アラブ世界の約80パーセントを占める12カ国(アルジェリア、チュニジア、リビア、モロッコ、モーリタニア、ヨルダン、レバノン、パレスチナ、イラク、エジプト、スーダン、クウェート)で、26,000人の市民を対象としてインタビューを実施した。今回の調査では、環境以外に政治、社会、経済の問題が取り上げられた。
この地域の人々が最も関心を持つ主要な環境問題の中で、廃棄物処理に関連する問題は第2位となった。多くの国では、リサイクルはすでに重要な環境保護活動であり、この地域の多くの人々がすでにゴミをリサイクルしているが、それは主に「コスト削減」のためであり、「環境保護のためというよりは利便性」のためであることがわかった。
気候変動、空気質、汚染、ゴミなどの環境問題に対する人々の考え方には、学歴が影響する傾向があり、学歴の高い人ほど関心が高いことがわかった。
また、都市部よりも農村部に住んでいる人々の方が、気候変動に関する問題についてより懸念を抱いている。
水の入手可能性や水質以外については、環境に対する意識は様々であった。
2020年10月に行われた過去の調査では、翌年度の政府支出で最優先にすべき事項は公害対策と考えているアラブ諸国の国民は7%に満たなかった。2021年の春に行われた調査では、環境問題に対処するために海外からの援助を使うべきと答えたのは9%に満たなかった。
最新の世論調査では、アラブ諸国の大半の国で、自国に寄付された海外からの援助を気候変動や環境問題に取り組むために使うべきだと答えたのは5%に満たなかった。エジプト、ヨルダン、パレスチナでは、1%という低さであった。
しかし、この地域の市民は、環境問題に十分に積極的ではないことについて自らを非難し、自分たちの政府が地域社会の気候変動や環境問題に適切に対処していないことを非難していることも明らかとなった。
また、この地域の人々は政府が環境問題に取り組むことへの高い支持を表明している。しかし、気候変動と環境に関する幅広い懸念にもかかわらず、他の問題の方がより緊急性が高く、優先度が高いと見ていることもわかった。