
ドバイ/パリ:2日火曜日、数週間にわたるイラン全土の混乱の後、イラン通貨は対ドル最安値を更新した。テヘランと世界の大国との間で行われている核合意の復活交渉の行き詰まりもリヤルに重くのしかかっている。
テヘランでは、トレーダーらは31日月曜日の1ドル=332,000リヤルから上昇した1ドル=338,000リヤルでリヤルを取引している。
テヘランの核開発プログラムに対する厳しい制約と引き換えに国際的制裁の解除を受けた2015年の核合意の時には、イラン通貨は1ドル=32,000リヤルで取引されていた。
今回のリヤル最安値は、9月16日に22歳のマフサ・アニミ氏がイラン道徳警察の拘束下で死亡した事件に端を発した抗議活動のさなかに生じたものである。
抗議の対象は、イランが国家的に義務付けている女性のヘッドスカーフ(ヒジャブ)である。
だが、イラン経済の病んだ状態もまたイラン人を街頭へと駆り立てる主な要因となっている。
急激な物価上昇、高い失業率、そして政治腐敗が、情勢不安に火を注いでいる。
イラン核合意は、数カ月前に交渉が難航して以来、崩壊の瀬戸際にある。抗議活動が発生した後、米国とEUはイランに対して、デモ参加者に対するその残虐な対応と、ウクライナ戦争に使用するためのドローン数百機をロシアに送ると決定したことについて追加制裁を科した。
ホワイトハウスは、核合意の全面的破棄に向けた圧力の高まりに直面している。
米国イラン特別大使のロバート・マレー氏は、31日月曜日、政権が核合意の破棄を拒絶していることについて「間違っているとは思いません」と述べた。
イランの経済は、ドナルド・トランプ前大統領が2018年に核合意から米国を離脱させ、イランにとって重要な石油および銀行部門への息苦しい制裁を復活させて以降、著しく悪化している。
人権活動家らは、抗議活動への弾圧で、全国で数千人の人々が逮捕されたと述べる。
一方で、イラン司法当局は、当局が「暴動」と表現している行為に関連して既に1,000人の人々が起訴されたと発表している。
抗議活動に関して死刑の可能性もある犯罪行為で起訴された男性5名の裁判が、29日土曜日、テヘランで始まった。
その中の1名であるムハンマド・ゴーバドルー氏は、ワシントン所在のアブドッラフマン・ボルーマンド・センターが投稿した母親の動画によれば、最初の公判期日で死刑を宣告された。
もっとも、この情報は司法当局によって確認されたものではない。
ニューヨークのイラン人権センターによれば、著名人の逮捕事例で最も新しいものは、イランの人気ラッパーであるトゥマジ・サレヒ氏である。
ニューヨーク所在のジャーナリスト保護委員会によれば、これまでに少なくとも46人のジャーナリストが逮捕されている。
最も近時に拘束されたのはテヘランのジャーナリストであるマルジエ・アミリ氏である、と姉のサミラ氏がインスタグラムに記している。
一方、表現の自由の著名な活動家でありウォール・ストリート・ジャーナルの寄稿者であるホセイン・ロナギ氏は抗議活動の開始直後に逮捕されているが、ホセイン氏が両親との面会を許可された後、「ハンガーストライキを行っており、体調が良くない」と弟のハッサン氏がツイッターに記している。
カナダは、1日月曜日、イランの警察や司法関係者を対象とした新たな制裁措置を発表した。
世界の大国はイランに対する圧力を強めようとしている。
AP/AFP