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ネタニヤフ氏が勝利目前、パレスチナ人は暴力の拡大を警戒

10月30日、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区ヘブロンでイスラエル軍と衝突し、燃え盛るタイヤの横で抗議するパレスチナ人。(ロイター、資料写真)
10月30日、イスラエル占領下のヨルダン川西岸地区ヘブロンでイスラエル軍と衝突し、燃え盛るタイヤの横で抗議するパレスチナ人。(ロイター、資料写真)
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03 Nov 2022 09:11:08 GMT9
03 Nov 2022 09:11:08 GMT9
  • イスラエルにおける右翼の台頭は「過激主義拡大の結果」だとシュタイエ首相が発言
  • 同首相は、今回の選挙結果で、「イスラエルに和平のパートナーがいない」ことが確認されるとも述べている

モハメド・ナジブ

ラマッラー:イスラエル史上、最も右翼的な政治連合の領袖であるベンヤミン・ネタニヤフ元首相が政権に復帰する見通しとなり、パレスチナ人は、イスラエルとの対立激化の序章になるとして懸念を強めている。

イスラエル占領下のヨルダン川西岸では、今年に入ってから100人以上のパレスチナ人がイスラエル軍に殺害されている。

パレスチナ自治政府のムハンマド・シュタイエ首相はイスラエルの右派政党の台頭について、「イスラエル社会で過激主義や人種差別が拡大したことによる、当然の結果だ。これにパレスチナ人は長年苦しんできた」と述べた。

しかし、シュタイエ氏は、パレスチナ人は「イスラエルの選挙の勝者が誰であろうと、占領を終わらせ、自由を獲得し、エルサレムを首都とする独立国家を樹立するための正当な闘いを止めないだろう」と強調した。

さらに同氏は、次のように続けた。「イスラエルの政党間の違いは、ペプシコーラとコカコーラの違いと同じだ」

「私たちは、国際的な決定や法律を重んじない攻撃的な政策や慣習に苦しむ同胞がいる中で、イスラエルの選挙の投票箱から平和のパートナーが生まれると錯覚していたわけではない」(シュタイエ氏)

「イスラエルの選挙結果は、イスラエルに平和のためのパートナーがいないことを確認させるものだ。国際社会は、イスラエルで人種差別主義政党が権力を握った後、国際決議を履行し、我々の国民を保護する責任を負わなければならないということもはっきりした」とシュタイエ氏は述べた。

パレスチナの指導層は、和平交渉の再開を願い、常にイスラエルの左派政党を支持し、その関係を維持してきた。

パレスチナ外相の政治問題担当顧問であるアフマド・アルディーク氏は、アラブニュースの取材に対し次のように語った。「我々は、今度のイスラエル連立政権のパレスチナ問題に対する政策と姿勢に基づいて、自分たちの立場を決める」

「我々は、ベン・グヴィール氏やスモトリッチ氏に代表されるイスラエル・ファシズムの出現を重大な関心を持って見ている。パレスチナ領土における占領の継続とアパルトヘイト体制の確立の結果として、イスラエル人が経験している深刻な危機の一つの表現であると考えているからだ」(アルディーク氏)

イスラエルのイタマール・ベン・グヴィール議員は、アラブ人の同僚議員を「テロリスト」と呼び、政敵たちの国外追放を主張している。グヴィール氏は若い頃、その思想があまりに極端だったため、イスラエル軍から兵役義務を負うことを禁じられている。

ベザレル・ヨエル・スモトリッチ氏は、宗教シオニスト党を率いる過激な右派政治家で、右派ユダヤ民族主義ヤミナ党所属のクネセト(イスラエル立法府)議員を務めていたこともある。

ガザ地区を統治するハマスも、イスラエル総選挙については、マフムード・アッバス議長率いるファタハと同様の立場をとっている。

ハマス幹部のバセム・ナイム氏はアラブニュースの取材に対し、選挙結果は「イスラエルの本当の顔」を示したと述べた。

同氏は、「この選挙結果に大きな悲しみや驚きを示した国内外の人々は、世間知らずか政治的に無知な人だ。そうした人々は、シオニスト運動と関係プロジェクトの歴史についての文献を読んだことがなく、読んでいたとしても理解はしていない」と述べた。

パレスチナの政党「パレスチナ・ナショナル・イニシアティブ」の幹事長であるムスタファ・バルグーティ氏は、選挙が2つの極右グループの間で行われ、真の和平派が不在であるため、状況は何も変わらないだろうと述べた。

さらにバルグーティ氏は、最も厄介なのは、スモトリッチ氏とベン・グヴィール氏率いる犯罪集団的ファシスト政党が、第三党になる可能性があることだと付け加えた。これは、植民地としてのイスラエル社会が、人種的過激主義、民族浄化、アパルトヘイトの教義にどれだけ堕しているかを示唆しているという。

前出のアルディーク氏は次のように述べた。「パレスチナ人の土地と故郷での存在を消し去ることができる力は、この世界にはない。国際的な二重基準が打ち破られるまで、彼らは占領に立ち向かうため、あらゆる手段を駆使して闘い続けるだろう」

一方、パレスチナ人は、占領者たちが4年足らずの間に5回も選挙を行い、自分たちは2006年以来一度も選挙を行っていないことに対しても怒りをあらわにした。

ヨルダン川西岸地区北部のナブルスの法律活動家であるアメル・ハムダン氏は、Facebookで次のように述べている。「何百万人ものイスラエル国民が投票所に行くのを見たとき、私たちはどのように感じるだろうか。ヨルダン川西岸でもガザ地区でも、我々は自分たちの代表を選ぶことができないのだ」

別のパレスチナ人は、皮肉交じりにこんなコメントを残した。「選挙はベストの人間を選ぶために行われている。そんなベストの人間が現在、我々を統治している限り、選挙の必要はないだろう?」

また、別のコメントではこう述べられている。「私たちに民主主義は必要ない。完璧なリーダーシップがあるから。ただ問題は、人々がそれを正しく理解できないことだ」

さらに、こんなコメントも見られた。「彼ら(ファタハとハマス)はそれを分け合ってしまった。ヨルダン川西岸はパレスチナ自治政府のもの、ガザはハマスのものという具合に、それぞれが自分たちの取り分に満足している」

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