
エルサレム:1日、イスラエル軍が占領地ヨルダン川西岸地区にある過激派の拠点を急襲し、パレスチナ人2人が死亡した。パレスチナ保健省が明らかにした。
イスラエルメディアの報道によると、殺された2人は過激派組織「イスラム聖戦」の司令官だという。
パレスチナ保健省は、殺された男性をナイム・ジャマル・ズバイディさん(27)とモハマド・アイマン・サーディさん(26)と特定したが、彼らが武装勢力かどうかは確認できていない。
報道によると、イスラエル軍はジェニン市で逮捕を目的とした急襲作戦を実行していたときに銃撃された。同軍は応戦し、その2人を殺害した。
イスラエル軍にコメントを求めたが、すぐに回答は得られなかった。
今春、パレスチナ人がイスラエル人を襲撃する事件が相次ぎ、19人が死亡した。これを受け、イスラエル軍はヨルダン川西岸地区で数カ月にわたって、 逮捕を目的とした急襲作戦を実行している。
イスラエル軍は、急襲作戦の目的は過激派組織を解体し将来の攻撃を阻止することだと主張しているが、パレスチナは、急襲はイスラエルによる終わりのない占領を強化し、パレスチナの治安部隊を弱体化させていると主張している。
急襲によってイスラエル人とパレスチナ人の間の緊張が高まっている。それをきっかけに、パレスチナ人による襲撃がここ数週間、再び相次いでおり、新たに8人が死亡している。
今年殺されたパレスチナ人は130人を超えており、2022年は2006年以降では最も多くの死者が出た年になった。
イスラエル軍は、殺された人の多くは過激派だと主張しているが、侵略に抗議する地元の若者や、暴力行為に関与していない人たちも殺されている。
イスラエルは1967年の中東戦争でヨルダン川西岸地区、東エルサレム、ガザ地区を占領した。
パレスチナは、これらの領土を将来のパレスチナ国家の領土にしたいと思っている。
実質的な和平交渉が最後に行われたのは10年以上前だ。イスラエルの政権は、建国以来最も右寄りになる可能性が高い。近い将来、交渉によって解決する見込みはないように思われる。
AP