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レバノン新政権に最初の亀裂

レバノンは、ナシフ・ヒッティ外相(写真)の辞任に伴い、大統領の外交顧問を新外相に任命した。(ファイル/ロイター)
レバノンは、ナシフ・ヒッティ外相(写真)の辞任に伴い、大統領の外交顧問を新外相に任命した。(ファイル/ロイター)
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04 Aug 2020 05:08:40 GMT9
04 Aug 2020 05:08:40 GMT9

ナジア・フサリ

ベイルート:レバノンの外相が3日辞任し、ハッサン・ディアブ政権発足後6か月にして早くも最初の大きな亀裂が走った。

ナシフ・ヒッティ外相は、「国内および国際社会が求める構造的、包括的改革を達成しようという実質的な意思がみられない」と述べ、レバノンは「国家の破綻へと向かっている」と語った。

ヒッティ氏の後任には、ミシェル・アウン大統領の外交顧問であるキャリア外交官のシャーベル・ワハビ氏が即刻就任した。67歳のワハビ氏は、元外務次官であり、アウン大統領や、義理の息子で影響力を持つジブラン・バシル前外相と近い関係にある。

レバノンは、通貨の価値が急落し深刻な金融危機に陥っている。

政府は国際通貨基金(IMF)に数十億ドルの支援を求めていたが、支援の条件となっている改革計画はほとんど進んでいない。

ディアブ政権はまた、政策決定力の弱さとともに、ヒズボラや自由愛国運動(FPM)に代表される、政権内の支配勢力への依存体質を、反対勢力から批判されている。辞任会見でヒッティ氏は暗にこれらの勢力について批判的に語った。

「レバノンという一人の主人に仕えるために政権に参加したが、その後、この国には何人も主人がいて相反する利益があることが分かった」と彼は述べた。

ヒッティ氏は、政府の改革の遅れに失望したと言われる。レバノン国民や国際社会に対して行った、腐敗を根絶するという公約がまったく実行されなかったのがその理由だ。

一部の国々とのコミュニケーションでは外務省を差し置き、安全保障長官のアッバス・イブラヒム少将に外交的役割が与えられるようになっている点も、ヒッティ氏には不満であった。この侵害行為は、彼の「専門的および外交上の信用」を失わせるものであったという。

反政府勢力はヒッティ氏の勇気を賞賛している。「現在の政権勢力はレバノンを誤った方向に導くだろう」とレバノン軍団の党首、サミール・ジャアジャア氏は述べる。「ヒッティ氏の供述は現政権発足後6か月以上経過後に出てきたものだ。ヒズボラ、FPM、およびこれらの同盟国がレバノンで権力を握っている限り、レバノンの状況は解決しない」

レバノン議会のマルワン・ハマデ議員は、ヒッティ氏は国民と革命に再び加わるために、政府に対して「立ち上がった」のだと語る。またアンリ・ヘロ議員は、「レバノン国民の志を叶えるための新しい政府への道を切り開く、多くの勢力が後に続くことを願っている」と述べている。

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