
ヘブロン:12月2日、数十名のイスラエルの平和活動家が「恥を知れ、恥を」という超国家主義者たちからの罵声が響く中、パレスチナ人との連帯を示すため被占領ヨルダン川西岸地区最大の都市を視察した。
ヘブロンの中心部で起きた睨み合いは、社会の在り方、56年目に突入したパレスチナ人に対する終わりの見えない軍事支配をめぐってイスラエル国内で分断が深まっていることを示している。
先月の議会選挙の結果を受けて、ベンヤミン・ネタニヤフ元首相が権力の座に復帰し、イスラエル史上もっとも右寄りで宗教色の強い政権が数日あるいは数週間以内に誕生する見込みとなった。
連立合意の中でネタニヤフ氏は、以前は非主流派で、反アラブ的言辞で知られるイタマル・ベン・グヴィル氏を含む超国家主義的派閥にヨルダン川西岸地区の主要機関をすでに委ねている。
新たに上記の人々に与えられる役職には、イスラエル人入植地の建設およびしばしばパレスチナ人の人口が集中する地域に展開される準軍事的国境警察の監督権が含まれる。
同時に、平和活動家とパレスチナ人の側に立つ人権活動家たちは近年、彼らを裏切り者と名指す右派政治家からの攻撃にさらされている。
2日の訪問の直接の引き金となったのは、情勢不安定なヘブロンで先週起きた事件の録画だった。
動画には、少人数の平和活動家のグループとの緊迫した睨み合いが続いた後、兵士が男性を地面に押し付け、顔を殴りつける様子が収められている。
また別の兵士は、活動家たちに次のように発言している。「ベン・グヴィルがここの問題を解決してくれる。終わりだよ、お前たちの負けだ」
愚弄する発言を行った兵士は当初軍刑務所で10日間の禁錮を言い渡されたが、軍はそれを6日に短縮した。
次期国家安全保障大臣に内定しているベン・グヴィル氏はヨルダン川西岸地区で、通常軍の兵士とともに展開されることの多い国境警察の監督権を持つことになる。
2日、約200人の平和活動家がヘブロン中心街に到着すると、「イスラエル国民は要求する。ヘブロンから無政府主義者を追放せよ」と書かれた横断幕を掲げた抗議デモの一団に迎えられた。活動家たちがツアーガイドの説明に駐車場で耳を傾けている間、治安部隊が右翼のデモ隊から彼らを遠ざけていたが、ある男性はメガホンで「恥を知れ、恥を」と叫んでいた。
2日のヘブロン訪問は、占領に反対する団体が定期的に行っているものの1つだが、選挙の結果と先週ヘブロンで起きた事件を受けて参加者数は通常より多かったと、ツアーを企画した団体の1つ、ブレーキング・ザ・サイレンスのスポークスマン、オリ・ギヴァティ氏は話した。
ギヴァティ氏によると、活動家たちは状況を懸念すると同時に、ヘブロンのようなヨルダン川西岸地区の危険地域のツアーを含め、仕事を続けると決意している。数万のパレスチナ住民が暮らすヘブロンには、数十名の入植者が厳重な警備の下生活している。
「安全、何よりまず占領下にあるパレスチナ住民の安全への強い危惧があります。パレスチナ人たちは今や、彼らと私たちの団体、その他の団体、ここでの活動が非合法化されるという現実に直面している活動家たちに対してこれまで以上に憎悪と人種主義を煽る政権の支配下に入ろうとしているのです」とギヴァティ氏は話した。
平和活動家に向けて抗議のスローガンを叫ぶ人々は、自らをイスラエルの入植者と兵士の擁護者と任じている。
右翼団体イム・ティルツに所属するマタン・ゲファリ氏は、活動家たちの狙いは兵士たちの名誉を傷つけることだと主張し、彼らに「無政府主義者」の烙印を押した。
イスラエルの両派が対峙する間、ほとんどのパレスチナ人は姿を見せなかった。
ヘブロンのパレスチナ人活動家、イッサ・アムロ氏は、この先ベン・グヴィル氏やその他の人々の掲げるような強硬路線のイデオロギーがイスラエル社会にますます広まるだろうと話した。
「入植者たちは、彼らを代弁するファシストが政権を取ったことを祝っています」と彼は言った。「ヘブロンで起きたことは、テルアビブで終わるでしょう」
AP