
ライラ・モハメド
カイロ:「気候のためのフェミニスト」イニシアチブはエジプト国民を啓発し、気候変動が女性全般ならびに特にエジプトの女性にもたらす影響に関する情報を提供することを目指している。
イニシアチブの創設者であるマリハン・フアド氏は次のように述べた。「女性はもっとも弱く、傷つきやすい集団です。気候変動問題とその帰結は、彼女たちの傷つきやすさや抱えている問題をさらに増幅します。イニシアチブの目標は、この件に関する人々の意識を高めることです」
薬学部の出身であるフアド氏は、さらに以下のように付け加えた。「啓発運動の対象として気候変動と、それが女性に与える影響を選んだのには、個人的な理由があります。私はデルタ地方(カイロの北)の出身で、そこでは女性はまず農業分野で働きます。家族が所有する土地での場合もあれば、他人のために雇われて仕事をする場合もありますが、ともかく気候変動の影響をもっとも受けやすくなっているのです」
研究によると、デルタ地方は将来気候変動の影響をもっとも被りやすい地域の1つで、「近年、その影響はいくつかの作物ではすでに現れ始めています」と彼女は言った。
「人類すべてが影響を受けるのは確かですが、同じようにではありません。個人や社会のタイプによっても違います。そして女性は、その影響の大部分を受ける集団なのです」
エジプト女性評議会の職員、サミラ・ラシュワン氏はアラブニュースに次のように語った。「国は環境問題と気候変動、その結果排出されるガスによって起きる自然災害の影響をもっとも大きく受けるのが女性たちだということを理解しています。そして、これには多くの理由があります。
女性たちにとってはしばしば、気候変動の危機に対処する能力を高めるためのすべてのリソースにアクセスすることは容易ではありません。それどころか、多くの障害があります。例えばテクノロジーや専門的教育の欠如は危機がどれほどのものかという理解を妨げます。また、女性の社会的地位の向上はまだ希望通りには進んでおらず、低い識字率が中東のみならず世界中で見られるという現実があります」
ラシュワン氏は、気候変動が女性にもたらす影響には女性への暴力と低年齢での結婚の増加、女性の社会進出の減速といったものも含まれると指摘した。
「多くの社会において、女性は生計を立て、自分と子供の食料を確保するために天然資源に依存しているので、経済的打撃を受けます。気候変動はこれら資源に、それが農地であれ川や海岸であれダメージを与え、その欠乏を招くのです。
私が考えるもっとも重要な影響は、女性の健康とりわけ生殖における健康に関するもので、これはただでさえ全般的に弱い状態にあります」とラシュワン氏は述べた。
気候変動がエジプトの女性に与える影響に関する取り組みは他にもある。オンラインのキャンペーンを開始したジハード氏はアラブニュースに、目標は「二酸化炭素濃度を上昇させるあらゆる道具や乗り物と、生分解性のないプラスチック製品の使用の中止」だと述べた。
ジハード氏は以下のようにも付け加えた。「私は気候変動の重大さに注意を向けてもらうために周りの人たちや市民に無料で紙袋を配っています。また、この問題について読むよう人々に勧めています。取り組みが実を結ぶよう期待しています」