
ドバイ:イランはイギリスとイランの二重国籍を持つアリレザ・アクバリ氏の死刑を執行した。司法当局のミザン通信が14日に伝えた。同氏はイギリスのためにスパイ活動を行った罪で死刑判決を受けていた。
アクバリ氏は元イラン国防副大臣。イギリスのジェームズ・クレバリー外相は13日、イランは同氏の死刑を執行すべきではないと述べていた。
イギリスは、同氏の死刑判決は政治的動機に基づいているとして即時釈放を求めていた。
ミザン通信は次のようにツイートした。「地上の腐敗およびイギリス政府情報機関のためのスパイ行為を通して国内外の安全保障に反する大規模な活動を行った罪で死刑判決を受けたアリレザ・アクバリ氏は(…)処刑された」
また、同氏がスパイ行為の報酬として180万5000ユーロ、26万5000ポンド、5万ドルを受け取ったとした。
アクバリ氏は、BBCペルシア語が11日に放送した音声録音の中で、激しい拷問を受けたため行っていない犯罪について自白したと語っている。
イラン公営メディアは12日、イランで最も著名な核科学者モフセン・ファフリザデ氏が2020年にテヘラン郊外で襲撃され死亡した事件にアクバリ氏が関わったとする映像を放送した。当局は事件当時はイスラエルによる犯行だとしていた。
この映像の中で、アクバリ氏は暗殺への関与を自白していないが、イギリスの諜報員がファフリザデ氏についての情報を求めていたと述べている。
イラン国営メディアは、政治的事件の容疑者による自白と称する映像を放送することがよくある。
ロイターは国営メディアが放送した映像・音声の信憑性および記録された時期・場所を確証できなかった。
イギリスも当事者である2015年のイラン核合意の復活に向けた努力が行き詰まる中、イギリスとイランの関係はここ数ヶ月で悪化している。
イギリスは、クルド系イラン人の若い女性が拘束下で死亡した9月の事件をきっかけに発生した反政府デモに対する体制による暴力的な弾圧にも批判的だ。
ロイター