テキサス州ヒューストン:水曜日、アラブ首長国連邦 (UAE) のスルタン・アル・ネヤディ宇宙飛行士は、迫る宇宙ミッションでのラマダン期間中の断食は義務ではないと語った。
この41歳の宇宙飛行士は、来月スペースXファルコン9ロケットに乗って国際宇宙ステーション (ISS) に向けて飛び立つと、宇宙で6か月を過ごす最初のアラブ人宇宙飛行士となる。
ネヤディ飛行士、NASAのスティーブ・ボーエン飛行士とウォーレン・ホバーグ飛行士、ロシアのアンドレイ・フェジャーエフ飛行士は、2月26日にスペースXドラゴンCrew-6のメンバーとしてISSへと飛び立つ予定となっている。
火曜日の記者会見で、イスラム教徒が通常夜明けから日没まで1か月に及んで断食する、神聖なラマダンをどのように遵守するかを尋ねられたネヤディ飛行士は、自身の状況が例外に該当すると述べた。
「私は…定義上旅行者です。そして、実際に断食の戒律は破ることができます。強制ではありません」とネヤディ飛行士は話した。
そして、「実際、気分が悪い場合など、断食は強制されません」と言った。
「そのようなことから、ミッションを台無しにしたり、乗組員を危険にさらしたりする可能性がある場合には、実際に十分な食料を食べることが許されます。」
ネヤディ飛行士は、石油資源が豊富なアラブ首長国連邦から宇宙へと飛び立つ2人目の国民となる。
2019年9月、ハッザ・アル・マンスーリ飛行士はISSで8日間過ごした。
また、水曜日にジョンソン宇宙センターで、NASAの宇宙飛行士とロシアの宇宙飛行士は、ウクライナをめぐる問題など、地球上の政治的緊張が宇宙に波及しているかどうかと尋ねられた。
「私は20年以上にわたってロシアの宇宙飛行士と協力し、訓練を行ってきましたが、それは常に素晴らしい経験でした」と、スペースシャトルのミッションを3回経験したベテランであるNASAのボーエン飛行士は話した。
「宇宙に着いたら、1つの乗り物で乗組員は一体となり、私たち全員が同じ目標を持っています。」
フェジャーエフ飛行士は、ロシアと米国との宇宙協力における「とても長い歴史」について指摘した。
「宇宙にある国際宇宙ステーションでの生活は、人々が地球上でどのように暮らすべきかという、本当に良い例を示しています」とこのロシア人宇宙飛行士は述べた。
NASAの関係者は、スペースXドラゴンCrew-6のメンバーが、昨年10月からISSに滞在するドラゴンCrew-5のメンバー4人と5日間の引き継ぎを行うことになっていると話した。
このほか、現在ISSには、12月に小さな隕石の衝突によって帰還船ソユーズ・クルーカプセルが損傷を受けた、3人の宇宙飛行士が滞在している。
ロシアは2月20日に無人の宇宙船をISSに送り、ロシアのドミトリー・ペテリン宇宙飛行士とセルゲイ・プロコピエフ宇宙飛行士、NASAのフランク・ルビオ宇宙飛行士の3人を帰還させる予定となっている。
彼らが乗るはずだったソユーズMS-22クルーカプセルは、隕石の衝突後にラジエーターの冷却液漏が発生した。
MS-22は、昨年9月にロシアが運営するカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から離陸し、ペテリン飛行士、プロコピエフ飛行士、ルビオ飛行士をISSに運んだ。
彼らは3月に同じ宇宙船で帰還する予定であったが、ISSでの滞在はさらに数ヶ月延長される。
ロシアは、1960年代から宇宙飛行士を宇宙に運ぶために、老朽化しているとはいえ信頼性の高いソユーズ・カプセルを使用してきた。
ロシアによるウクライナ侵攻開始以降、宇宙はモスクワとワシントン間の貴重な協力の場であり続けている。
ISSは、冷戦における「宇宙開発競争」の後、米ロ間の協力が強化さるようになった1998年に打ち上げられた。
AFP