• 衝撃と絶望の中、動機の詳細な調査と若者の保護を求める声が高まる

サイード・アル・バタティ

アル・ムッカラー、イエメン：イエメン南部の都市タイズの治安当局が、土曜に2つの別々の事件で2人の子どもが自殺したと発表し、包囲されたこの街の住人らに衝撃と絶望を与えた。

タイズ警察は、土曜夜に市内における2人の自殺の知らせを受けたという声明を発表し、2人の死を「危険な前例」だとした。

警察は、1人目はAl-Jamhuria地区に住む12歳のカリーム・アブドル・カリームさんだと発表した。土曜午後に自室で首にスカーフを巻いて首を吊ったという。

2人目は16歳のアンマー・カーレドさんで、土曜夜、首に巻いたロープを家族が暮らす家の外にあるドアに結んで自殺した。

科学捜査官らが写真を撮影し、証拠を収集した後、家族が同日に埋葬を求めた。

タイズ警察は犠牲者の死を取り巻く状況を調査することを約束し、自殺の背景を明らかにするため地域社会や専門家らに支援を求めている。

声明の中で警察は、「適切な答えを得るため」、当局と市民の両方に「協力」を求めた。

タイズ警察の調査に参加するモハメド・アラウィ氏はアラブニュースに対し、社会学や精神医学の専門家を含むチームが調査にあたっており、今週中に調査結果が発表されると述べた。

当初、アラウィ氏はネットいじめや、性的嫌がらせの可能性も除外し、2人の子どもの死の原因はモバイルゲームPUBGにあるとした。

「これらは危険なゲームであり、保護者に対し、子どものモバイル機器を監視し、何を見て、何をプレイしているかを確認するよう忠告する」とアラウィ氏は述べた。

また同氏は、自身が戦争に起因する心理的苦痛が原因だと考える、他の自殺者の例にも触れた。

「イエメン、特に包囲されたタイズにおいて、女性や子どもは戦争のために精神的に苦しんできた。戦争以前には、このような反道徳的行為は見られなかった」と同氏は述べた。

ソーシャルメディア上では、警察の声明と亡くなった2人の子どもの写真に対し、家族への哀悼の言葉、自殺の背景にあった動機の調査や子どもの保護を求める声が寄せられている。

「PUBGのような、彼らが遊んでいたゲームに関して家族に話を聞き、フェイスブックやWhatsAppのアカウントを持っていたかを調べるべきだ」と、アドナン・タハさんはフェイスブック上で述べた。

「（子どもたちは）嫌がらせや恐喝の被害にあいやすい可能性があるため、あらゆる通信を吟味すべきだ」と、タハさんは述べている。

別のソーシャルメディア利用者ムネイル・アル・オアイシさんは、地域の治安当局に対し、毒物の摂取があったかを調べるために検死解剖を行うまで、遺体を埋葬しないよう求めた。

「埋葬を急がず、遺体を調べてほしい」と、アル・オアイシさんは述べた。

「子どもたちの間で共有されている飲み物や食べ物に両親が気付いていないということも考えられる」という。

性急な埋葬だという非難を受けて、アラウィ調査官は、少年の1人は家族の要請によって、調査官らが遺体と現場の両方を調べてから埋葬されたと応じた。

「科学捜査チームが現場を調べ、写真におさめ、調査を行ってから少年の埋葬が行われた。その上、親族が検察当局から埋葬を要請した」とアラウィ氏は述べた。