
パリ:モニター報告によると15日、イラン暦の新年を迎える前に行われるイランの伝統行事の火祭りと同時に、反体制の新たな抗議行動が夜通し行われた。
SNSに投稿された動画には、反体制のスローガンを叫ぶイラン人の集団が頭髪を覆うスカーフを火に投げ込んだり、指導的立場の聖職者の画像を燃やす様子が映っていた。
今年、3月20日に大晦日を迎えるイランでは、イラン暦の最終火曜日の夜に毎年、ペルシア語で「チャハールシャンベ・スーリー」と呼ばれる火祭りが行われる。
イスラム教伝来以前から続くイランの伝統行事で、シーア派の聖職者は眉をひそめるのだが、若者には人気がある。
火祭りの期間、焚き火を飛び越えて、悪霊を追い払う。この期間、花火も打ち上げられるが、その多くが手作りで、毎年、かなりの数の犠牲者が出ている。
イランの救急サービスの責任者であるジャファール・ミアドファ氏によると、今年の火祭りでは11人が死亡し、3500人以上が負傷したという。
22歳のマフサ・アミニさんがイラン女性に義務付けられている服装規定に違反したとして逮捕され、その後拘束中に死亡したことをめぐって、昨年9月にイランで抗議行動が勃発したが、それ以降、初めての火祭りとなった。
抗議活動をモニターしているSNSチャンネル、1500tasvirが投稿した動画には、テヘランのエクバタン地区でデモ行進をしている数十人の人々が、「我々は帰ってきた。暴動は続いている」と声を上げている様子が映っている。
また、カスピ海沿岸近くのラシュト市で反体制のスローガンを唱える大群衆や、テヘランで警察車両に花火を投げつけている様子の動画が投稿された。
テヘランでは、女性たちが焚き火の周りで踊り、義務付けられたスカーフを炎に投げ入れて歓喜している様子が映っている。
ニューヨークを拠点とするイラン人権センターによると、イラン西部のクルド人居住地域でも抗議行動があり、治安部隊による催涙ガスの使用が報じられたアミニさんの故郷であるサケズでは、人々が「独裁者に死を」と叫んでいるという。
イラン・ワイヤのウェブサイトによると、イラン北部の町ブカンでは、デモ抗議者が路上で焚き火をしたために、治安部隊と衝突したという。
首都テヘランでは、デモ抗議者がエクバタン地区で最高指導者アヤトラ・アリー・ハメネイ氏の横断幕に火をつけたという。
昨年9月にアミニさんが亡くなった後に起きた抗議行動は、治安部隊による徹底的な取り締まりによって、数カ月でほぼ収束した。
しかし、根底にある怒りはくすぶっており、小さな火種さえあれば、再び燃え上がるだろうと、アナリストは述べている。
AFP