
アル・ムッカラー:21日、イエメンの首都サヌアのフーシ派の影響下にある法廷において、フーシ派への悪感情を煽った容疑で4人のイエメン人ユーチューバーが投獄され、チャンネル閉鎖が命じられた。フーシ派や、法廷で反対派を罰する彼らの行為に対する怒りが再燃している。
フーシ派の刑務所に勾留されている人々の弁護にあたっているイエメン人のアブドゥル・マジード・サブラ氏は、サヌアの第一審特別刑事裁判所が、国家の安全を損なう情報を広めた容疑で4人に判決を言い渡したと述べている。
アハメド・エラウ氏が3年、ムスタファ・アル・ムマリ氏が1年6か月、アハメド・ハジャール氏が1年、ハムード・アル・メスバヒ氏が6か月の懲役をそれぞれ科された。
裁判所は被告のユーチューブチャンネルの閉鎖を命じるとともに、4万ドル近い罰金を科した。エラウ氏の携帯電話やカメラ、銀行口座の差し押さえも命じた。
ユーチューバーの弁護にあたっているワッダー・クタイシ氏は、判事が根拠や証拠を何ら示さずに判決を言い渡したとフェイスブックで述べている。そして、判決は「不当」であり、言論の自由を封じる意図があるとし、控訴したことを明らかにした。
4人のユーチューバーは、昨年12~今年1月にサヌアの複数の場所でフーシ派によって拘束された。
イエメンの有名なコメディアン・俳優・ユーチューバーのハジャール氏は、昨年12月にサヌアのアル・ズバイリ通りを歩いているところを拘束された。
その数日前には、重税や公務員への給与未払い、汚職のほか、悪化する貧困に対処していないフーシ派を批判する映像に登場していた。
他の3人のユーチューバーは、ハジャール氏を支持し、解放を呼びかけ、あらためてフーシ派を批判する映像を公開したところ、1月にフーシ派に拘束された。
中でもアル・ムマリ氏は最も人気のユーチューバーであり、チャンネル登録者は200万人を超え、フェイスブックにも数万人のファンがいる。エラウ氏のチャンネル登録者数はそれに次ぐ80万人。
フーシ派の保安部隊は20日、裁判にかけられたユーチューバーの映像を公開した。被告はその中で、フーシ派に対する蜂起を煽り、虚偽の内容のコンテンツやソーシャルメディアアカウントを作成したと告白し、フーシ派を批判したことを謝罪した。
そして、サヌアの経済悪化の原因は「侵略行為」にあるとして、その責任をイエメン政府や「イエメンにおける正統性回復のための連合軍」に求めた。
裁判所の判決によってフーシ派への抗議の声が高まっており、「異議を唱える者を封じようとしている」などと非難されている。
イエメン人ジャーナリストのムハンマド・アル・アハマディ氏は「アル・フーシは法を無視したギャングであり、抑圧の武器として、また個人の自由を剥奪する手段として法廷を利用している」とフェイスブックに記している。