
イスタンブール:トルコの主要な親クルド政党は22日、5月の大統領選挙に候補を擁立しないと発表し、この重要な選挙におけるレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の対立候補に暗黙の支持を与えた。
国民民主主義党(HDP)によるこの決定は、反エルドアン票が割れて不利になる可能性を減じ、野党連合の統一候補であるケマル・クルチダルオール氏の勝機を高めるものだ。
過去3回の国政選挙で10%以上の票を獲得したHDPは、大接戦におけるキングメーカーになると広く見なされていた。
同党の共同議長であるパーヴィン・ブルダン氏は記者団に対し、「我々は大統領選挙に候補を擁立しない」と述べた。
また、「今度の選挙で独裁政治を終わらせるという歴史的責任を果たす」として、20年以上にわたって首相および大統領として権力を固めてきたエルドアン大統領を非難した。
HDPによる今回の決定は、オスマン帝国以降のトルコの歴史上最も重要な選挙と広く見られている今度の選挙において、エルドアン大統領から重要な票田を奪うものだ。
エルドアン大統領は権力掌握当初はクルド人有権者から一定の支持を集めていた。
同大統領の政府はかつてHDPと協力して、独立国家を求めるクルド系反体制派との数十年にわたる戦闘(これまでに数万人の死者を出している)を終わらせようとしたことがある。
しかし、現在の同大統領は、過激派組織PKKの政治部門であるとしてHDP(国会の第三党)を非難している。
左派政党であるHDPはこの疑惑を否定しており、自分たちは政府の社会・経済政策に対する厳しい批判のために選び抜かれているとしている。
エルドアン大統領と国会におけるその極右同盟勢力は今、テロ組織との関係疑惑を理由にHDPを解散させようとしている。
トルコ憲法裁判所は22日、5月14日の選挙後まで裁判の結果を遅らせるようにとのHDPの要請を却下した。
HDPは、クルチダルオール氏の擁立で結束した6党の野党連合から除外された。
この反エルドアン連合には、HDPとの連携を拒む強固なナショナリスト政党が含まれているのだ。
クルチダルオール氏は20日、HDPの幹部らと会談し、クルド語に関する制限の撤廃やその他のクルド人の懸念への対処を約束した。
AFP