
テルアビブ:イスラエル政府が推し進める最高裁判所の力を弱める司法制度の改革は、今や数カ月間にわたる抗議活動や政治的混乱を引き起こしているだけでなく、イスラエルの主要な支援者である北米のユダヤ教系グループとの緊張も高めている。政権の計画では、政府が61票の多数決によって最高裁判所の決定を覆すことが可能になる。この法案に賛同する者は、イスラエル政府の機関の間の均衡を保つものだとしている一方、批評家らは三権分立を崩壊させるものだと考えている。
ユダヤ系北米連合(Jewish Federations of North America)の代表かつCEOであるエリック・フィンガーハット氏は、政府はどのようにして少数者の権利を保護するつもりなのかと問いかけた。
「私たちは、イスラエルの三権分立がアメリカの三権分立とまったく同じになるべきだとは思っていません。しかし、政権は実際どのような形で三権分立を行おうとしているのでしょうか?もし政権が明確な答えを出せなければ、それはユダヤ教徒であれ非ユダヤ教徒であれ、アメリカ人にとって危害が及ぶ可能性があるということです」とフィンガーハット氏は、ロイター通信に語った。
月曜日にテルアビブで開催されたユダヤ系北米連合の総会では、改革に反対するデモ隊が、計画の主要な立案者のひとりであるシムカ・ロスマン議員の登壇を妨害した。改革を反対する声が会議場に響き渡った。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は日曜日に、「繁栄するユダヤ人国家の建設と支援」を目標とする74以上のユダヤ人コミュニティから約3000人の代表が集まる総会で演説する予定だったが、直前にキャンセルした。理由は明らかにされていない。
先月、世界に散らばるユダヤ人との絆の象徴とされる北米ユダヤ人連盟のリーダー30人がイスラエルを臨時訪問し、指導者らに対して改革案について懸念を表明した。彼らは2022年、イスラエルのために2億5000万ドル以上を集めた功労者といえる。
フィンガーハット氏と総会主催者は、この総会は参加者にイスラエルの民主主義と司法制度についてより深く考えることを促し、より多くのアメリカ人ユダヤ人がイスラエル問題に関与することを促したと述べた。
ロイター