
ドバイ:スーダンの首都で5月24日、対立する軍事派閥間の衝突が勃発したと住民が伝えた。支援物資の提供を可能にし、より永続的な停戦へ向けた基盤作りを目的とした不安定な停戦合意が破棄される恐れがある。
5週間にわたり首都ハルツームで激しい戦闘が続き、西部ダルフール地方など国内の他地域でも暴力が多発した後に締結された今回の停戦合意は、サウジアラビアと米国、および紛争の両当事者によって監視されている。
スーダン正規軍と強力な準軍事組織である即応支援部隊(RSF)との間で勃発した紛争で、人道危機は深刻化し、130万人以上が自宅からの避難を余儀なくされ、より広い地域を不安定化させる恐れがある。
今回の停戦合意で23日のハルツームでの戦闘は比較的沈静化したが、人道支援が急速に拡大する気配はほとんど見られなかった。
24日午後には、首都の複数地域で衝突があったと目撃者が報告している。
ハルツーム中心部の西側では黒煙が立ち上り、ハルツーム南部の正規軍キャンプ付近では砲撃があったという。
スーダンでは青ナイル川と白ナイル川の合流点周辺にある3つの都市が首都圏を形成しているが、その1つであるバーリでは、衝突音と砲撃音が聞こえた。
第3の都市オムドゥルマンでは、正規軍の戦闘機が撃墜されたとの目撃情報があり、ソーシャルメディアに投稿された映像がその様子を映し出しているようだ。その映像はすぐには確認できなかった。
これに先立ち、オムドゥルマン郊外のワディ・サイドナ軍事基地付近で砲撃があったと住民が報告していた。
停戦は、サウジアラビアと米国が仲介したジェッダでの協議の結果、5月20日に合意された。これまでの停戦宣言では、戦闘を止めることができなかった。
サウジアラビアと米国は23日遅く、正規軍とRSFの代表を含む停戦監視メカニズムのメンバーが、報告された停戦違反についてそれぞれの指揮系統に働きかけることを引き受けたと発表した。
「恐怖」
南ダルフール州の州都ニャラでは、正規軍とRSFの衝突が何日も続き、中心的な市場のほとんどが焼失してしまったと、住民2人が語っている。
「非常に困難な状況です。私たちは精神的に打ちのめされ、恐怖を感じています」と住民のマラク・イブラヒムさんは語り、彼女の家族はこの2週間水がない状態で暮らしていると付け加えた。
中央ダルフール州の州都ザリンゲイの活動家によると、RSFが支援する民兵組織がザリンゲイを包囲し、住宅やオフィスの略奪を開始したという。先月以来数百人が殺害されているザリンゲイと西ダルフール州の州都ジェネイナは、いずれも電話網から遮断されているようだ。
スーダンにおける今回の紛争は、国際的に支持されている民政選挙実施に向けた政治移行計画が最終決定されようとしているときに勃発し、首都で初めて持続的な空爆と地上戦が展開されている。多くの住民は、長引く断水や停電、医療サービスの崩壊、広範な無法地帯や略奪に直面し、生き延びるのに必死だ。
国連人権高等弁務官はスーダンの状況を「悲痛」と表現し、ハルツームとダルフールでは「非常に憂慮すべき」性暴力の報告があり、これまでに少なくとも25件の事件が報告されており、実際の数はおそらくはるかに多いと述べた。
避難者
援助関係者によると、紅海に面した都市ポートスーダンに到着した物資やスタッフの多くは、セキュリティの許可や保証を待っている状態だという。スーダンは、4月15日に紛争が勃発する以前から、深刻な人道危機に直面していた。
国際移住機関(IOM)によると、現在スーダン国内で100万人以上が避難しており、31万9,000人がスーダンから近隣諸国に避難しているが、その近隣諸国の中には同様に貧困に陥り、国内紛争の歴史を抱えている国もある。国連難民高等弁務官であるフィリッポ・グランディ氏は24日、ここ数日、多くの人々がチャドやエジプトに入国したと明らかにした。
「避難者対応計画に対する寄付は依然として不足しています。避難者を受け入れている国々を支援するには、早急にさらなるリソースが必要です」と同氏はツイートしている。
国連によると、スーダン国内で援助を必要とする人の数は国内人口の半数を超える2,500万人に急増しているという。
ロイター