




南スーダン、ジュバ:4月15日に勃発したスーダン内戦によって奪われる人々の命や四肢、住居の数が増え続けている。世界はこの流血の惨事が平和的に終結するよう望んでいるが、スーダンの多くの産業界のトップは、この内戦による経済的損害がスーダンと国際社会に壊滅的な影響を与える恐れがあると警告している。
かつて盛況を極めたアラビアガムの産業も内戦の犠牲となり、生産者と地元市場は窮地に陥っている。現在、コカ・コーラやペプシなど清涼飲料の大手メーカーに供給している業者は、内戦が現在のまま続けば、備蓄が3~6カ月で底をつくかもしれないと警告している。
アラビアガムの用途は多岐にわたる。清涼飲料では風味や着色料、香りの分離を防ぐ安定剤として、一口ごとに味と香りを均一にブレンドして届けるためなど、複数の目的のために用いられている。
また、舌触りを良くしたり、過度な泡立ちや気が抜けるのを防ぐ泡安定剤の役割も果たしている。アイスやソフトキャンディ、チューインガムなどの菓子の食材としても使用されている。
アラビアガムは飲食品以外にも、水彩絵の具、陶磁器の釉薬、印刷、花火、接着剤、化粧品、医薬品、ワイン、靴墨、切手や封筒の口糊などに使用されている。
英語圏の国では、アラビアガムはアカシアガムと呼ばれることが多く、これはスーダン、チャド、ナイジェリア、セネガル、マリなどの国でよく育つアカシアの木から収穫されるためである。ちなみに、コルドファンガムは、スーダンのコルドファン地域で収穫されるアラビアガムの一種である。
ハルツーム経由でダルフールとコルドファンから輸出される輸出品、特にアラビアガムが内戦勃発以降、深刻な影響を受けている。国の人口約11パーセント相当の推定500万人のスーダン人が、この貴重な資源の生産から得られる収入に直接的間接的に依存している。
以前、小規模農家向けのアラビアガム収穫プロジェクトを行っていたヒシャム・エル・クルディ氏はアラブニュースに対し、輸送ルートが寸断され、ハブとして機能すべき首都が内戦に巻き込まれており、生産物のアラビアガムを輸送する人々の安全確保に懸念が生じていると述べた。
「農村地区に住む大多数の人々は従来、スーダンの首都ハルツームでアラビアガムを売り、取引業者や商売人が世界各地への輸出を引き受けています。現状では、この部分に重大な障害が立ちはだかっているのです」と述べた。
スーダンでは、アカシアガムを生産する木が、アル・カダリフからダルフールまで、フランスとほぼ同じ面積の50万平方キロメートルという広大な地帯に自生している。国際的な篤志家やアフリカ諸国は干ばつや気候変動に対する強靭性を評価し、砂漠化への対抗策としてサヘル地帯の植林を目指す「緑の大壁」プロジェクトに投資している。
南スーダンの専門家アコル・ミエン・クオル氏はアラブニュースに対し、スーダンで進行中のスーダン国軍と即応支援部隊との紛争は、アラビアガムが世界各国で使用されているため、世界経済に悪影響を及ぼすと述べた。
クオル氏は、「地方から国まであらゆる段階で、スーダンで続く内戦が早く終わらなければ、アラビアガムを収穫する人や国の一般収入に悪影響が及びます」と述べた。
英国を拠点とする貿易会社アグリガム・インターナショナル社取締役、ダニエル・ハダッド氏はアラブニュースに対し、スーダンのアラビアガムは「絶対的な生産物であり、清涼飲料、医薬品、その他さまざまな業界で幅広く使用されています。スーダン産アラビアガムの重要性はその優れた品質にあります」と述べた。
また、「ポートスーダンは現在、人道援助活動にのみ重点を置いているため、商品の入出荷が途絶え、銀行業務や公的書類の作成に対応できる事務管理の人材が不足しています。その結果、スーダンにはアラビアガムが存在するにもかかわらず、現在、目立った輸出活動は行われていません」と述べた。
国連貿易開発会議の2018年の報告書によると、スーダンは世界のアラビアガム供給量の66%を占めており、スーダン内戦の影響により大混乱となりそうである。
「このような状況が続けば、懸念を引き起こすでしょう。しかし、何か起こると確信しています」とハダド氏は述べた。
「それぞれの顧客、企業、製品で、アラビアガムの用途は異なります。一部、代替品に置き換えることができるかもしれませんが、顧客は人工成分を好みません」
スーダンの輸出の70%を占めるスーダン産アラビアガムは、世界経済にとって極めて重要で、米国はスーダンに対して禁輸措置を課しているが、アラビアガムの例外を認めた。
「アラビアガムが人々を団結させ、既存の問題の解決を促進する触媒として役立つかもしれないと、私は楽観的な気持ちでいます」とハダッド氏は語った。
「アラビアガムの生産と輸出をめぐる課題を解決することで、正常な感覚を取り戻すことができます。
そうすれば、スーダンとハルツームの人々が自宅に戻り、食料や電気などの必要な資源を手に入れて、生活を再建できるようになるでしょう。このような前向きな動きが展開し、被害を受けた地域に日常を取り戻すのに役立つことを心から願っています」