
モスル:水曜日、医療慈善団体「国境なき医師団 (MSF)」は、戦争の傷跡を残した都市モスルにある2つの病院における「重要な」医療活動を停止することを発表し、物資の輸送を遅らせているイラクの官僚主義を非難した。
MSFのプレスリリースによると、「医薬品や物資の在庫が極度の不足に陥ったため、2つの医療施設における重要な医療活動が停止された」とのことだ。
この団体の活動は、医療分野が長年の戦争と放置からの回復に苦しむイラク北部の主要都市にとって極めて重要である。
イラクがダーイシュに対する勝利を宣言してから6年が経ったいま、聖戦戦士たちが「カリフの地位」を宣言したモスルの大部分は依然として荒廃しており、公共サービスの再開は緩やかとなっている。MSFは活動停止の原因を「長く複雑で不透明な公式手続きのせい」であるとし、「MSFはバグダッド国際空港からプロジェクトへの確実な物資の供給やイラク国内の輸送が妨げられている」と述べている。
この慈善団体は、自ら運営するモスルの病院3か所のうち、これまでに220人の患者が専門的な整形外科手術や術後ケアを受けたアル・ワフダ病院と、2,496件の分娩を行ってきたアル・アマル産科病院の2か所で活動を停止すると発表した。
MSFのイラク医師団で責任者を務めるフェルナンド・ガルバン氏は、「6月1日以降、両施設で重要な活動を停止しなければならなくなったことは残念でならない」と声明で述べた。
MSFは、ある貨物がバグダッドの空港で5か月間滞留し、最終的に一部の物品を引き取ったときには多くが「期限切れ」になっていたと伝えた。
イラク運輸省、空港局長、民間航空局はこの件に関するコメントの要請に応じなかった。ガルバン氏は、MSFはモスルにあるこれら2つの病院で、緊急の産科ケアを含む一部のサービスを提供し続けていると語った。
そして、「必要な物資が届いた場合にのみ、私たちは活動を再開できる」と述べた。
MSFは、イラクでのさまざまなプロジェクト用として、10回にわたる合計「12トンの医薬品、医療用品、医療機器」の輸送が見込まれていると述べ、当局にそれら輸送を円滑に進めるよう求めた。
保健省の現地当局者によると、モスルでは6か所の病院が建設中で、それ以外に11か所の公共医療施設が現在運営されている。
公式統計によると、2021年末時点で同市の人口150万人に対し、病床数は1,800床となっている。
AFP