
カイロ:国際支援活動団体の職員は20日、アフリカの国スーダンで敵対関係にある将軍同士による数ヶ月に及ぶ軍事衝突によって、身動きが取れなくなっているスーダン国民に手を差し伸べるために、国際社会にさらなる資金提供を強く訴えた。
ジャガン・チャパゲイン国際赤十字・赤新月社連盟(IFRC)事務総長によると、スーダンの人々を手助けするために求めた4500万ドルのうち、同連盟が受け取ったのはたったの7パーセントだという。この戦争で軍は強力な準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」と戦闘している。
チャパゲイン氏はカイロでのインタビューで「ニーズは本物です」と、AP通信に話した。「スーダン国民には緊急支援、緊急連帯、緊急の関心が必要です」
スーダンは4月に大混乱に陥った。アブドゥルファッターハ・アブドラフマーン・ブルハーン氏が率いる軍と、モハメド・ハムダン・ダガロ氏が指揮するとの間でくすぶり続けていた緊張が、首都ハルツームなどで突如交戦に発展したのだ。
その戦闘により、ハルツームなどの都市部は戦場と化した。多くの住民は水や電気がないまま生活し、国の医療制度は崩壊したようなものだ。ダルフールの不規則に広がった地域では、この衝突における最悪の暴力行為の一部が繰り広げられた。そして戦闘は、RSFや、アフリカ人少数民族コミュニティを標的とする、同盟しているアラブ人民兵隊との民族紛争に姿を変えた。
南コルドファン州と西コルドファン州においても、今月、衝突が激しさを増した。国連スーダン派遣団によると、反乱軍が南コルドファン州の州都カードゥクリーを攻撃して軍と衝突し、市民は殺害され住む場所を追われたという。
西コルドファン州の州都フラーフでは、軍とRSFとの間で数日間にわたる戦闘が勃発し、地元当局が衝突を止める手助けに入ったと、UNITAMSとして知られる国連派遣団は20日に話した。しかし、国連や支援組織の事務所、官公庁、銀行が荒らされたという。
国連の移民機関によると、340万人以上が家からスーダン国内のより安全な場所へ逃げ出さざるを得なかったという。また、百万人以上が、エジプト・チャド・南スーダン・エチオピア・中央アフリカ共和国などの隣国への国境を渡ったという。
チャパゲイン氏は、ロシアによるウクライナ侵攻で逃げ出した人をスーダン国民が昨年、大急ぎで援助した際に示した連帯と同じものを、国際社会に示すよう呼びかけた。
「ウクライナの人道的側面が良い例だと思います。そうやって国際社会が一体となれるのです。同様の連帯が今のスーダンには必要です」とチャパゲイン氏は話した。
スーダン国内の支援に必要な4500万ドルと併せて、戦争を避けてスーダンの隣国へと逃れた人への支援を行うには、それとは別に3500万ドルが必要だとチャパゲイン氏は言った。
チャパゲイン氏は、エジプトのスーダン国境を訪問し、そこで税関職員とハルツームでの戦闘を逃れたスーダン難民に会った後、コメントを発表した。公式発表の数字によると、8月1日時点で、エジプトは27,2000人以上のスーダン人を受け入れた。
国境のエジプト側での手続きは首尾よく行われていたとのことだが、スーダン側にはエジプト入国の許可を待つ人の長い列ができていたという。チャパゲイン氏によると、日々400〜600人がエジプトへと越境しており、その人数は戦争が始まった1週目には数千人いたという。
戦争が始まった1週目には、エジプト政府は女性と子どものビザ無し越境を認めていたが、6月になると、活動家や権利団体からの反対にもかかわらず、全てのスーダン国民にビザを要求し始めた。
チャパゲイン氏によると、エジプト政府は経済的圧力を受けているのだという。増加を続ける1億5百万人以上の自国民に加えて、スーダン人やシリア人など900万人以上の移民を受け入れているためだ。
「エジプトは寛大でありたいのです。温かく迎えてあげたいのです」とチャパゲイン氏。「しかしそれと同時に、いまだに発展途上国であるという意味で、懸念を抱えています」
AP