ドバイ:イランは、マフサ・アミニさんが警察による拘束下で死亡した事件に端を発した昨年の全国的デモの際に志願民兵1人を殺害した罪で既に処刑された男性2人に手を貸したとして、男性7人と女性1人に禁錮刑を言い渡した。国営メディアが23日に報じた。
今回の判決は、アミニさんが亡くなった昨年9月16日からまもなく1年を迎えようという中で下された。その記念日を前にあらゆる反対を封じ込めようとしてか、当局は活動家などを一斉検挙している。
司法当局のミザン通信による今回の報道は、以前カラジ(11月の殺害事件が発生した都市)の革命裁判所で下されたとみられる判決を初めて公式に裏付けるものとなった。報道によると、有罪判決を受けた者たちの弁護団は上訴したが、イラン最高裁判所は判決を支持した。
ミザンによると、被告らは「戦闘行為」および「地上の腐敗」(イラン政府を弱体化させようとする試みを指すためにしばしば使用される言葉)を犯したとして有罪となった。
審理を非公開で行うイランの革命裁判所は、反体制派の人物や欧米とつながりのある者に対する判決が厳しいと活動家や他国から長年批判されてきた。また、裁判を受ける者が自分で弁護士を選んだり自分に不利な証拠を閲覧したりすることは許されない。
ミザンによると、判決を受けた者たちのうち、ハミド・カラハスナル医師には15年の刑、その妻ファルザネには5年の刑が言い渡された。両者は今回の裁判で判決を受けた他の者たちと同様に、自宅から遠く離れた刑務所でその刑期を服役しなければならない。
同医師とその妻が正確には何をしたかは定かではない。しかし、デモが行われていた頃にはデモ参加者に治療を施した医師らが嫌がらせを受けたり拘束されたりした。
彼らの判決は、モハマド・メフディ・カラミ氏とモハマド・ホセイニ氏という男性2人が1月に処刑されるに至った事件の一部として下された。この2人は11月3日にテヘランの北西約40km(25マイル)に位置するカラジで、イラン革命防衛隊傘下の志願民兵組織バスィージのメンバーだったルホラ・アジャミアン氏を殺害したとして有罪となった。バスィージはデモの際に主要都市に配備され、デモ参加者を攻撃し拘束したが、多くの場合反撃を受けていた。
デモを受けた治安部隊による鎮圧で、500人以上が死亡、約2万2000人が拘束された。
デモのきっかけは、昨年9月中旬に22歳だったアミニさんが、女性にヒジャブ(イスラムのヘッドスカーフ)の着用を義務付けるイランの厳格な服装規定に違反したとして同国の道徳警察に拘束された後に死亡したことだった。
このデモはイランの神権政治体制にとって、1979年のイスラム革命以降最大級の挑戦となった。女性たちはヒジャブ着用義務を無視し続けているが、当局は最近になって法律の執行を強化するべく企業などを標的にしている。
ニューヨークの「イラン人権センター」は声明の中で、イラン当局が新たなデモを抑えるための試みとしてここ数週間で少なくとも22人の活動家(大半が女性)を拘束したことを明らかにした。
同センターのハディ・ガエミ事務局長は次のように述べた。「イラン当局は全国で活動家、特に女性を一斉検挙している。『女性・命・自由』抗議運動1周年を前に、『もう一度立ち上がってみろ、その時は叩き潰す』という恐怖のメッセージを大衆に届けるためだ」
「過去1年間の国家によるデモ参加者数百人の殺害に続く現在の弾圧急増に対しては、これらの勇敢な女性たちの声を広めること以上の世界からの反応が求められる」
AP