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米国のイスラエル支援は最終的に裏目に出るだろう

ジョー・バイデン大統領は、この破壊的な戦争を長引かせるために必要な手段をイスラエルに提供している。(AFP)
ジョー・バイデン大統領は、この破壊的な戦争を長引かせるために必要な手段をイスラエルに提供している。(AFP)
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03 Jan 2024 04:01:45 GMT9
03 Jan 2024 04:01:45 GMT9

フランツ・カフカの有名な言葉に、「あなたの愛するものはすべて失われるかもしれない。しかし、最後に愛は、別の形で戻ってくるだろう」というものがある。同じ原則が、恨み、憎しみ、怒り、そして狂気さえも含む、他のどんな強力な感情にも当てはまると私は信じている。

米国政府高官たちはこのことを知るべきだ。彼らは何十億ドルもの軍事・経済援助をはじめ、ありとあらゆる手段を提供してイスラエルを支援し続けており、同国がガザでパレスチナ人に対するジェノサイドを続けることを許している。

ガザのパレスチナ人虐殺を助長する米国の直接的な役割に対して、世界中が注目し、聞き、読み、日々怒りを募らせている。

ガザにおけるイスラエルの軍事作戦は、「2012年から2016年にかけて行われたシリアのアレッポの破壊、ウクライナのマリウポリ、または相対的には、第二次世界大戦中の連合国によるドイツ爆撃よりも大きな破壊をもたらしており、最近の歴史の中で最も致命的で破壊的なものの一つに数えられている」と、先月、AP通信は衛星データの分析に基づいて報じた。

何千人もの死者や行方不明者ががれきの中に埋まっている他に、さらに多くの人々が負傷し、傷ついている。国連児童基金(UNICEF)によれば、多くの子どもたちが「腕や足を失い、苦しんでいる」という。

ガザの苦しみはテレビに映し出され、あらゆる通信手段を通じて視聴されている。まるで世界がガザの子どもたちとともに苦しんでいるかのようだが、誰も大量虐殺を止めることも、遅らせることもできない。

一部の国を除いた欧州諸国がこの戦争に対する立場を翻し、世界中の国々とともに即時かつ包括的な停戦を要求したときでさえ、米国はこれらの呼びかけを拒否し続けた。

米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連常駐代表は、10月18日の国連安保理による初の本格的な恒久停戦の試みを打ち消す拒否権の行使を、次のように正当化した。「イスラエルは、国連憲章第51条に反映されているように、自己防衛の正当な権利を有している」。この同じ論理は、ガザの悲劇がアメリカ人自身を含むすべての人に知られるようになっても、米国政府高官によって何度も繰り返されてきた。

この自己中心的な論理は、戦争や紛争の際に民間人の標的化を激しく否定する国際法と人道法の精神に反している。また、戦争の民間人被害者に人道援助を届けることを妨げることも否定している。実際、ガザの被害者の大多数は民間人であり、死者の70%以上が女性または子供だ。さらに、非人道的なイスラエルの軍事行動により、ガザの生存者たちは現代パレスチナ史上前例のない実際の飢餓に直面している。

しかしイスラエルは、食料、医薬品、燃料、その他の緊急物資へのアクセスを妨げ続けており、これは、この問題に関する米国独自の法律に違反している。米国対外援助法第620条I項には、「いかなる国に対しても、その国の政府が米国による人道的援助の輸送や配達を直接的または間接的に禁止または制限していることが大統領に知らされた場合には、援助を行ってはならない」と規定されている。

米国は、イスラエルに最も基本的な人道法を遵守するよう強制することはおろか、圧力をかけることさえしてこなかった。

ラムジー・バロード

バイデン政権は、イスラエルがガザで大量虐殺を続けている間、最も基本的な人道法を遵守するよう強制することはおろか、圧力をかけることさえしてこなかった。さらに悪いことに、ジョー・バイデン大統領はイスラエルに対し、この破壊的な戦争を長引かせるために必要な手段を提供している。

イスラエルのチャンネル12が12月25日に報じたところによると、戦争開始以来、約20隻の船と244機の米軍機が、イスラエルに1万トン以上の武器や軍事機器を届けている。これらの軍事物資には、少なくとも100発の2000ポンド級バンカーバスター爆弾が含まれており、イスラエルの戦争を通じて繰り返し使用され、そのたびに何百人もの死傷者を出しているという。

戦争開始以来、米国が取った唯一の具体的な行動は、「オペレーション・プロスペリティ・ガーディアン」と名付けられた連合軍を創設したことである。その唯一の目的は、イスラエルへの入港または同国からの出港を含む、紅海を通過する船舶の安全を確保することである。

しかし、米国は過去から何も学んでいないようだ。イラクに対する破壊的な戦争から、いわゆるテロとの戦いから、またはイスラエルへの支援とパレスチナ人、アラブ人、イスラム教徒への尊重とのバランスを見いだせなかったことから。それどころか、一部の米国高官はこの現実から完全に目をそらしているように見える。

先月ホワイトハウスで行われた記者会見で、米国家安全保障会議(NSC)のジョン・カービー報道官は次のように宣言した。「ガザの人々の痛みや苦しみを和らげるために、米国ほどのことをしている国があれば、ひとつ挙げてみてほしい。それはできない。不可能だ」。しかし、いわゆるダムボム(無誘導爆弾)、スマート爆弾、バンカーバスター、何万トンもの爆薬が、どのようにガザ住民とその子どもたちの「痛みや苦しみを和らげる」のだろうか?

もしカービー報道官が、ガザの大量虐殺における自国の役割に気づいていないのだとしたら、米国の外交政策の危機は想像以上に深刻だ。もし彼が気づいているとすれば――気づいているはずだが――、米国の道徳的危機は間違いなく現代史において前例がない状態だ。

米国の政治における問題は、政権が現実を断片的にしか見ていないことだ。自分たちの行動、あるいは不作為が、将来の選挙において、自分たちの政党にどのような影響を与えるかのみに集中している。しかし、大きく変化する中東や急速に変化する世界の地政学において、自国とその立場に関心を持つアメリカ人であれば、歴史は4年に一度、11月の決まった日に始まるものでも、終わるものでもないことを忘れてはならない。

「最後に愛は、別の形で戻ってくるだろう」とカフカは書いている。彼は正しい。しかし、憎しみもまた、無数の形で姿を変えながら戻ってくるかもしれない。他のどの国よりも、米国は自らそのことに気づくべきだったのだ。

  • ラムジー・バロード氏は中東について20年以上にわたって執筆している。国際的な組織のコラムニスト、メディア・コンサルタント、数冊の本の著者であり、PalestineChronicle.comの創設者でもある。
    X: RamzyBaroud
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