
イスラエルの首相ベンヤミン・ネタニヤフは、ガザ地区に対する自らのアプローチの正当性を世界に納得させられると考えているかもしれないが、今ではほとんどのイスラエル国民にも知れ渡っているように、誰もビビの古着など欲しがっていない。
17ヶ月間、ネタニヤフは国内問題から逃れ続け、パレスチナ人の血と、戦争犯罪者であり米国の支援を受ける自国の軍隊を利用してきた。
まずは事実を確認しよう。
火曜日、イスラエルは1月に締結した停戦協定を一方的に破棄した。ラマダンの断食明けの食事中であった人々を襲った未明の攻撃により、数百人が死亡または負傷した。イスラエル軍はガザ地区全域に爆撃を行った。
イスラエルが署名し、カタール、エジプト、バイデン政権が保証した停戦協定は、ドナルド・トランプとその側近によって一部実現した。トランプは、停戦協定締結における自身の役割を自らの手柄とした。
最も重要な条項のひとつは、イスラエルが戦争終結を目的とした第2段階の交渉を開始するというものだった。交渉開始の期限が過ぎたが、イスラエルは現れなかった。
この合意は、この可能性を考慮し、第2段階の合意が成立しなかった場合は停戦を継続し、人質の解放は必要ないとした。しかし、今になってパレスチナの抵抗運動が5人の生存人質解放の申し出を拒否したと主張されている。先週、アメリカの交渉担当者と直接協議を行ったハマスは、代わりにイスラエル系アメリカ人の兵士と、さらに4人の二重国籍者の遺体の解放に合意した。しかし、アメリカがハマスと単独で協議を行ったという事実が、イスラエルがイスラエル兵の解放につながるであろう協定を拒否する原因となった。
アメリカがハマスとだけ協議したという事実が、イスラエル兵の解放につながるであろう取引をイスラエルが拒否する原因となった
ダオウド・クタブ
イスラエルの指導者は、アメリカ大統領と同様に、ハマスが署名した協定の順守を主張しているにもかかわらず、人質解放に関する脅しや要求を繰り返している。
今回の攻撃の標的はハマスの指導者たちであったはずだが、実際にはまたしても女性や子供たちが犠牲となった。 Axiosは、標的となった人々の一部は「中堅」ハマス司令官に過ぎなかったと報じている。 確かに、ハマスの一部のトップ指導者の名前も挙がっているが、イスラエルが暗殺したと主張するハマスの指導者の多くが、過去1年半の間に、赤十字国際委員会への人質解放の際に奇跡的に生放送のテレビに登場している。
膨大な数の民間人を殺害するという戦争犯罪が起こる一方で、別の戦争犯罪も継続していた。ガザ地区の200万人近いパレスチナ人に対する集団的処罰である。3月2日以来、イスラエルはガザ地区全体を密閉した違法な包囲下に置いている。食料、水、医薬品、人道支援の搬入は一切許可されていない。地区で唯一稼働している浄水プラントを動かすのに必要な電力も、1週間後に遮断された。
イスラエル人、特に人質となった人々の家族は、このような攻撃の理由を長らく論破することができた
ダオウド・クタブ
この違法な包囲の結果、基本的な食料品の価格が高騰した。火曜日の正午までに、30個入りの卵のパックは、以前は9シェケル(2.45ドル)で販売されていたが、なんと90シェケルで販売されるようになり、つまり、卵1個あたり3シェケルとなった。トマトは10シェケルから30シェケルに値上がりし、ピタパン1袋は3時間待ってようやく手に入ったが、6シェケルから12シェケルへと2倍に値上がりしていた。小麦25キロの袋は、以前は20シェケルで売られていたが、80シェケルで売られていた。
一般市民は、こうした基本的な食料品を買う余裕がない。一方、戦争に反対すると言明する大統領を含む国際社会は、何百人もの民間人を殺害した包囲作戦と致命的な攻撃の両方にゴーサインを出している。トランプ政権が包囲されたとされるウクライナ兵士を救おうとしているとされる一方で、致命的な包囲作戦の中でパレスチナ人が虐殺され続けている。
イスラエル人、特に人質となった人々の家族は、こうした攻撃の理由を長らく論破してきた。 一方、1月に停戦が合意された際に連合政権を離脱した元国家安全保障相のイタマル・ベングビールは、現在、政府に復帰し、ガザ地区のパレスチナ人の民族浄化を求めている。
「一度騙されたら恥を知れ、二度騙されたら自分が恥を知れ」という諺は、世界を欺こうと疲れを知らず努力を続けるネタニヤフ首相にぴったりである。幸いにも、世界はもはや欺かれてはいないが、ほとんどの人は、こうした偽りの正当化に隠された戦争犯罪を阻止する意思も能力もない。