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予想よりも良い見通しを示す石油市場の展望

19 May 2020
米国ニュージャージー州リンデンにあるフィリップス66の石油タンクとベイウェイ精製所の外観。(ロイター)
米国ニュージャージー州リンデンにあるフィリップス66の石油タンクとベイウェイ精製所の外観。(ロイター)
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1ヶ月前とは大違いだ。先月、ウエスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)は5月物がロールオーバーされる際に、1バレルあたりマイナス$37で取引された。5月18日、WTIは1バレル$30を2ヶ月ぶりに突破した。6月物は5月19日にロールオーバーされる。

このニュースは、需要と供給の両方に関して予想よりも良かった。

先月、世界中で40億人の人々がロックダウン措置を受けた。その後、制限を緩和する国が次々と現れ、現在も自宅に厳しく閉じ込められているのはわずか28億人になった。この状況が需要にプラスの影響をもたらしている。

国際エネルギー機関(IEA)はさらに楽観的な見通しを描いており、前回の悲観的な需要予測を700,000バレル/日(bpd)引き上げた。現在は、世界の石油需要は年間通して860万bpd縮小すると予想している。OPECの数字もこれとかけ離れておらず、907万bpdの需要縮小を見込む。

供給の見通しも改善した。OPEC加盟国およびロシアを筆頭とする同盟10ヶ国から成るOPEC+は、順調に970万bpdの供給を続けている。それに加え、サウジアラビア、UAE、クウェートは来月さらに118万bpdを減産しようとしており、その結果OPEC+全体での産油量は1,100万bpdをわずかに下回る程度になる。

IEAは米国とカナダからの供給が4月に300万bpd減少したのを確認した。ベーカー・ヒューズ社が発表した5月8日までの週の米石油採掘装置(リグ)稼働数が、この数字を裏付けている。リグの稼働数は35減少して339となり、1年前と比べて648減った。現在のリグ稼働数はシェール革命の初期よりもさらに少ない。

価格は非常に安く、このことは石油輸出に頼っている国々にとって大きな意味合いを持つ。

コーネリア・マイヤー

IEAは通年の供給量を1,200万bpd減の8,800万bpdと予測する。OPECは非OPEC生産量を通年で350万bpdの減少と見込む。

OPECのモハンメド・バルキンド事務総長は先週金曜、ブルームバーグのインタビューに応じて楽観的な見方を示し、石油市場で最悪の状況は終わったと明言した。同事務総長は、4月に約束されていた産油量よりさらに減産したサウジアラビア、UAE、およびクウェートを称賛した。そして、OPECおよび非OPEC産油国の間で生産量は合計1,700万bpd以上減るだろうと見積もった。

バルキンドは、OPEC+は6月の会合で世界の需給状況とその見通しに注目し、それから今後の方向性について決断するだろうと述べた。

状況はわずか1ヶ月前よりも大幅に改善されているように見える。石油は3週間にわたって堅調に急回復を見せており、月曜朝の欧州市場ではブレントが1バレル$32.17、WTIは1バレル$34.62で取引された。

これらの数字は前月比で大幅な上昇(ブレントで74%高)となるものの、今年始めと比べればまだ50%以上低い。

見通しは1ヶ月前と比べて確かに改善したが、依然として10億バレル弱の過剰在庫が存在し、徐々にしか減らないという事実が割り引かれることはない。さらに、バルキンドがブルームバーグのインタビューで指摘した通り、需要の回復はあらゆることの回復の形とスピードに完全に左右される。また、ウイルスの新たな大流行が再び地域的なロックダウンを引き起こし、経済と石油市場に打撃を与える危険もある。

価格は非常に安く、このことは石油輸出に頼っている国々にとって大きな意味合いを持つ。

湾岸協力会議加盟経済国の予算が傷つけられるだけでなく、ナイジェリアやアンゴラのような経済的に弱い立場の発展途上国には特に大きな打撃となる。

  • コーネリア・マイヤーはビジネスコンサルタント、マクロエコノミスト、およびエネルギー専門家。Twitter: @MeyerResources
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