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原油の一時的停滞は長期的な石油市場回復の障害とはならない

テキサス州ラビング郡のパーミアン・ベースンにある原油ポンプジャックの周りを土ぼこりが舞い、掘削パッドから余剰ガスが燃え上がる。(ロイター/ファイル写真)
テキサス州ラビング郡のパーミアン・ベースンにある原油ポンプジャックの周りを土ぼこりが舞い、掘削パッドから余剰ガスが燃え上がる。(ロイター/ファイル写真)
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05 Sep 2020 08:09:08 GMT9
フランク・ケーン
05 Sep 2020 08:09:08 GMT9

今年4月のように、ブレント原油が1バレル20ドル未満に戻ることなど誰も望んでいない。同月にはウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)もマイナス38ドルまで一時的に下落した。

ブレント原油がここ数週間の間45ドルを下回りWTIが40ドルの適正水準を試す、世界の石油市場で原油の売り圧力が強まった先週末、ある専門家が極端な見方を示した。

原油が「ブラックマンデー」で陥った狂気のレベルに戻ることなど誰も望んでおらず、最悪のシナリオでも再びそこまで下落することはないように思われる。しかし、原油市場の変動により、これまでのところ世界のエネルギー情勢において需要と供給のバランスを取り戻すことに成功してきたストラテジストたちの間でためらいが生じている。

主な懸念事項は需要である。中国を中心として世界各国の経済が再開し始めた当初に需要が急増し、米国からもいくつかの前向きな兆候が見えたものの、7月末以降は減速している。

この分野の第一人者、オックスフォードエネルギー研究所のバッサム・ファトウ氏によると、8月の初めまでは石油需要の改善が見られたが、「それ以来、需要の回復は突然停止したように見える。」

米国とインドにおける需要回復は、8月の間ほぼ横ばいだった。中国は依然として需要増加の恩恵を享受しているが、春に非常に安価だった石油を大量購入したため、当面の必要を満たすには十分だと思われる。港で船に積まれている原油の荷下ろしにさえ手間取っている。

世界需要に不可欠な要素である航空は依然として低迷しており、人々が再び安心して飛行し始めるには、効果的なワクチンを待たなければならないだろう。

需要が不確実なため、供給側の適正化がより重要になる。サウジアラビアとロシアが主導するOPEC+同盟による4月の歴史的な削減以来、エネルギー政策立案者は主にこれを実行してきた。シェールが財務的実態の逆風にさらされている米国の生産落ち込みにより、促進されている。

原油が「ブラックマンデー」で陥った狂気のレベルに戻ることなど誰も望んでおらず、最悪のシナリオでも再びそこまで下落することはないように思われる。

フランク・ケイン

OPEC+はサウジアラビアが「3C」と呼ぶ、削減(cuts)、順守(compliance)、補償(compensation)を固守している。取引における現段階では、1日あたりの減産量は約770万バレル(bpd)となっている。

このような制限の遵守は、異質なOPEC+同盟の間でこれまで見たことがない規模で観察されるようになった。イラクやナイジェリアのような悪名高い過剰生産国が100%近くまで遵守しており、過去の過剰供給分を埋め合わせるため今後さらなる削減の推進に合意している。

とはいえ、ちょうど先週、OPEC+同盟国の結束にいくつかの小さな亀裂が生じ始めた。最初は思いがけない方面から来た。同盟の重鎮であり、サウジアラビアの腹心の友であるアラブ首長国連邦である。

アラブ首長国連邦によると、暑い夏の時期にエネルギー需要がピークに達したゆえの余分な国内需要に加えより多くの人々が家で過ごしたため、8月の生産上限を日量約10万3,000バレル(bpd)ほど上回った。UAEはこれを補うため、10月末まで削減することを約束した。

さらに気がかりなのはイラクだが、削減の合意に一貫して遅れ気味であるというだけではない。地元メディアが引用したイラクの石油相のコメントによると、同国は事実上来年からOPEC+の協定からの脱退を望んでおり、これは2022年まで実行される予定の合意にとって大きな打撃となる。

イラクの石油省は「根拠がない」としてこの報道を直ちに否定し、これまでと同じくOPEC+に取り組んでおり8月には目標を100%遵守したとはいえ、補償スケジュールを延長する可能性がある、と述べた。

今のところ、原油価格における需要と供給の両方に対する懸念が過剰に表れており、時に一時的な問題が起こり得るとはいえ、幅広い回復が続くと見られる。

ファトウ氏は次のように述べた。「OPEC+の結束と高いコンプライアンスが維持されることが上向バイアスの根底にある重要な前提であり、これは以前のサイクルからの根本的な変化を示している。」

  • フランク・ケイン氏はドバイを拠点とする、受賞歴があるビジネスジャーナリスト。 Twitter:@frankkanedubai
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