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世界はイランの人々を支持する道義的義務がある

昨年の民衆蜂起後に、イラン政府は何百人ものデモ抗議者たちを殺害した。(AFP/資料)
昨年の民衆蜂起後に、イラン政府は何百人ものデモ抗議者たちを殺害した。(AFP/資料)
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16 Nov 2020 08:11:50 GMT9
Majid Rafizadeh
16 Nov 2020 08:11:50 GMT9

昨年イランを席捲した大規模な民主化デモから1周年になる。この蜂起は過去40年で前代未聞の出来事であった。200近くの都市を巻き込み、わずか数日で10代の若者を含む1500人が治安部隊によって無差別かつ故意に殺害された。だが、この大虐殺は人数が過少報告され見逃されてきた出来事のひとつだ。

欧米諸国は、見事なまでにその道義的義務を果たせていない。政権は、2019年の悪質な弾圧の責任を問われるべきであり、さもなくば、ただでさえ荒廃した経済と大規模な世界的パンデミックに喘ぐ罪のないイラン国民を、今後も虐殺し続ける可能性がある。2019年の民衆蜂起は、多くの意味で特別なものであった。それは政権を握る神権政治家たちに対する、国民の怒りの驚くべき意思表示であった。

長年欧米諸国のイラン擁護者たちの多くは、政権の座は盤石であり、存続するに足るほどには街の人々からの支持も得ているため、政権を懐柔すべきだとしてきた。

その主張は、2019年に圧倒的な数のイラン国民が変革を求めたとき、決定的に葬り去られてしまった。

スローガンも前代未聞のものだった。最高指導者の「ハメネイに死を」、そして現大統領の「ロウハニに死を」、が掛け声となった。人々は政権内の全党派に対する憎悪を表明し、「改革派、強硬派、お前たちはもう終わりだ」と唱えた。

国民の怒りは、別の前代未聞の展開としても表明された。抗議者たちは、国家や軍の傘下にあるセンターや施設を標的にした。政権が所有する銀行、聖職者のオフィス、神学校、イスラム革命防衛隊(IRGC)基地、その他略奪や弾圧の拠点となっていた1890カ所以上が標的となり、それらが損傷を受けたり放火されたりした。

抗議運動が信じられない速さで拡大したことで、社会は苛立ち、聖職者たちにうんざりし、民主主義への抜本的な変換を切望していることが明らかになった。

国際的な制裁の重圧に喘いでいた政権は、不意を突かれた形となった。治安部隊では事態を制御できなくなり、ハメネイ師は早い段階でIRGCを呼び入れた。IRGCはたちまち抗議者たちの頭や胸を狙ってその場で射殺し、人々を恐怖で追い払い始めた。最終的に少なくとも1500人以上が銃殺された。

アムネスティ・インターナショナルは、死者の中に10代の若者たち数十名が含まれていたことを明らかにした。女性や若者たちが抗議活動の主導的役割を果たしていた。これは、この民衆蜂起が非常に組織化されていた理由の一端だ。抗議者たちはスローガンと行動を通してあらゆるところで政権を標的にしていた。

怒りのほとばしりは、神権政治がもはや崩れつつあることを明確に示した。それは弱く、脆弱で、危機だらけで、完全に正当性を欠いている。1500名の無実の人々を殺害したことで、これまで以上に正当性を失った。

イランは一触即発状態にあり、独裁に対して幾度も立ち上がるだろう。

マジド・ラフィサデハ博士

それは、イラン社会の魂に永続的で痛ましい傷を残し、国民と政権との溝を計り知れないほど広げている。

海外の多くの人々がイラン国民の大義を支援し続けている。例えば、世界2400カ所にある300以上のイラン人団体が先週、国際テレビ会議を開催し、1500名の殉教者たちを称えた。そしてそこで、説明責任を呼びかける自分たちの声に対して、イランの主要反対派リーダーであるイラン国家抵抗評議会マリアム・ラジャビ次期代表からの賛同を取り付けようとの、訴えかけがなされた。

イラン人コニュニティーは、世界に対し、政権と虐殺実行者にその犯罪責任を問うよう促した。イベントには数十名の欧米著名人も参加し、スピーチを行った。ジョージ・W・ブッシュ政権で戦略企画局長を務めたミッチェル・リース大使は、「この政権はラジャビ氏を特に恐れており、彼女の提唱する、イランに民主主義、真の代表政府、法の支配をもたらすための10項目の計画を恐れている」と述べた。

ラジャビ氏は、この蜂起は「宗教的独裁」を打倒したいというイラン国民の願望の現れであったと付け加えた。

彼らはまた、欧米各国政府に対し、2019年11月の人道に対する犯罪を調査する事実調査団の創設を支援し、イランの刑務所へ代表団を派遣して拷問下にある抗議者たちと面会し、この件を国際法廷に持ち込んでさらなる措置を講じるよう求めた。

これは、誰が米国大統領になろうとも、イランの人々とその組織的抗議運動は、政権打倒の闘いを続ける決意を固めている事実を物語っている。

2019年11月の炎はまだ健在だ。つい今週もイラン南西部のアハバズの人々が再び決起した。今回は、飲料水にアクセスできないことへの抗議だった。彼らは通りや幹線道路を閉鎖し、政府軍と戦った。

イランは一触即発状態にあり、独裁に対して幾度も立ち上がるだろう。世界は、民主主義を求めて戦うイランの人々を支援する道義的義務がある。そして、殺人を犯す支配層に悪質な犯罪への説明責任を問う法的義務も負っている。

  • マジド・ラフザデハ博士は、ハーバード大を卒業したイラン系アメリカ人の政治学者。ツイッター:@Dr_Rafizadeh
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