
【ダンマーム=バンデル・アブドゥル・アジーズ】
在ダーラン米国総領事館のラチナ・コーホネン総領事は、サウジをお気に入りの場所のひとつに挙げ、サウジの文化や伝統に首ったけだ。
コーホネン氏は2017年からサウジに赴任している。ビジョン2030の旗印のもとですさまじい変化がサウジに起きていることには目を丸くしている。
アラブニュースは同氏に取材し、米国とサウジにまつわるもろもろを話し合った。
「アビゼイド米大使も申しているとおり、米サウジの連携はかつてなく緊要だ。両国はこの地域の安全保障上の課題に対峙し、また共通の政治・経済の目的達成に手を取り合っているだけに特にそう言える」
コーホネン氏は両国関係は強固かつ多面的であるとし、さらに言う。「繁栄と経済的発展の推進、両国の安全の保守、両国関係を緊密にする人と人との結び付きの構築といったことに日々私たちはともに取り組んでいる」
サウジへの赴任は同氏の第一希望だったという。
「米国のダーラン総領事としては私が初の女性となることはその時点では知らなかった。ただエネルギー関係の勉強がしたかった。緊張もしたし物怖じしないこともなかったけれど、同時にわくわくしやる気も十分だった。リヤドに3年、それにクウェート・イラクにも少々いたので、この地域に関する理解度はかなりあった」
サウジの方々は私を自宅に歓待してくれ、食事やしきたりをともにしてくれた。
米国総領事ラチナ・コーホネン氏
コーホネン氏はサウジのもてなしと人々の厚遇ぶりを手放しで礼讃する。
「私がサウジに来たのはちょうど犠牲祭(イード・アル=アドハー)の直前だった。祝祭(イード)のため地元の著名な人士の家を訪れるのが総領事の習わしだ。着任早々みなさんと直接お目にかかれたことはラッキーだった。私は折に触れて人には会うようにつねに努めている。サウジの方々は私を自宅に歓待してくれ、食事やしきたりをともにしてくれた。まさに、最善のときに最善の場所で最善の仕事をしているといえる」
コーホネン氏は、サウジアラビア東部州にあるディワニヤおよびマジュリスの文化が感慨深いという。
「知らない人たちと出会い、東部州で起きていることを知れることが楽しみだ。ディワニヤはまさにうってつけの場所だ。カフワ(アラビアコーヒー)やデーツ(ナツメヤシの実)も好物だ」
東部州はかなりアメリカっぽい感じもする、と同氏は語った。その理由は同氏によると、1930年代にアラムコ創業とともに始まった両国の緊密な関係もあるだろうし、東部州には何万人も米国留学者がいるせいもあるだろう、とのことだ。
ビジョン2030を旗印に挙行されるサウジの社会変革についてはこう語る。「サウジに来て初めて見た競技会のことを今もありありと思い出す。8月で、何とも蒸し暑い日だったが、何としても東部州の応援に加わりたかった。大観衆でありスタジアムの熱気と言ったらなかった。その当時、家族用の区画で女性は私だけだった。ところが今では、スタンドでサウジ人家族全員が応援している風景はごくありふれている。スポーツ関連のイベントには私は目がなくどこにでも駆けつけるほどだ。とても大きな変化だと思う」
同氏は本紙に対し、米国のビザ発給手続きに「今般特段の変化はない」とし、こう語る。「ビザ発給の予約は毎月月曜から木曜までほぼ受け付けている。今夏の訪米に関心をもたれている向きには今すぐ申し込まれることを促したい。夏が近づくと需要が増大するはずだから」
「ビザ受給にともない領事館の待合室でお待ちいただく時間の軽減については引き続き勘案している。特に学生のみなさんの場合のビザ予約の待ち時間であるとか、パスポートに査証が下りて返却するまでの時間とか」
サウジ人と米国人とを糾合するイニシアチブとして同氏が気に入っているのは、国際リーダーシッププログラムであるという。
「領事館では地元で協力していただけるサウジ人の方とともに、米国のアスリートやミュージシャン、起業家、芸術家その他の特定技能をもつ人々を東部州へ派遣し、意見交換や協力方法を模索するといった事業に取り組んでいる。館内のEducationUSAオフィスでは、米国留学に関心のあるサウジ人学生に米国の大学や入学手続き、また留学までの諸準備について知ってもらう手助けもおこなっている」